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健康志向のあなたにも日本酒で待望の糖質ゼロ(製法特許取得)

消費者の健康意識の高まりから、さまざまな健康効果をうたった飲料や食品が上市されています。なかでも、カロリーや糖質を減らした商品は清涼飲料水や発泡酒を中心に多数発売されており、近年では「カロリー0」や「糖質0」と表示されている商品が増えてきました。清酒も例外ではなく、当社でも2004年9月にカロリー20%オフ、糖質30%カットの「かろやか純米」を発売し、さらに2008年3月には糖質を85%カットした「月桂冠 超淡麗辛口」を発売しました。市場では清涼飲料水やビールと同様に清酒にもよりインパクトの強い「糖質0」が求められるようになってきました。月桂冠はこのニーズに応えるべく、旨味を残しながら糖質をカットする当社オリジナルの糖質スーパーダイジェスト製法(以下、GSD製法)により、日本酒ではじめてとなる糖質ゼロ清酒の商品化に成功しました。

糖質ゼロ

糖質ゼロ清酒の特徴

[1]普通酒との糖質量・カロリーの比較

糖質ゼロと普通酒(当社上撰)について糖質量とカロリーを比較しました。栄養表示基準の規格では、「糖質0」と表示するには100mlあたりの糖質の含有量が0.5g未満と定められています。清酒中の糖質は、清酒からアルコール、水分、タンパク質、粗脂肪、および灰分を除いた残りとして換算されます。普通酒(当社上撰)100ml中に含まれる糖質が5gであるのに対し、糖質ゼロは糖質の含有量が100mlあたり0.5g未満となっています。さらに、カロリーについても、糖質ゼロは普通酒(当社上撰)に比べて25%カットされています(図1)。

図1 糖質ゼロ清酒と普通酒との糖質量・カロリーの比較

[2]糖質スーパーダイジェスト(GSD)製法

糖質は清酒にとって「旨味」の一つであるため、“糖質を限りなくゼロにし旨味を残す”ことは非常に難しい課題でした。この課題を解決するべく試行錯誤を重ねた結果、開発されたのがGSD製法です。GSD製法の完成には、「糖質のコントロール」「酵母選択」及び「発酵制御」の3つの観点からのアプローチが必要でした。
通常の清酒醸造においては、酵母が資化できないオリゴ糖がモロミの末期でも糖質として残存し、そのまま最終製品に移行します。そこで、麹による糖質の分解力を強化して、モロミ中のオリゴ糖を酵母が資化できるグルコースにまで分解、同時に発酵力を持続させるように環境を整え、モロミ中に糖質が残らないようにしました(図2)。
酵母については当社保存株の中から、アルコール耐性能が高くモロミ末期まで順調に発酵を継続するとともに、味・香りのバランスを損なわないという条件を満たす酵母を選択しました。
清酒醸造のモロミは最終的にアルコール濃度が20%を超えるため、アルコール耐性能の高い酵母を用いたとしてもモロミ末期まで発酵力を維持させることは容易ではありません。モロミ中の成分をこれまで以上に詳細に分析することでモロミの状態を把握し、的確に発酵を制御することで酵母の発酵力を最後まで維持させることができました。

図2 通常の製法とGSD製法の比較

今後の展開

業界初の糖質ゼロ清酒は、アルコール度数=13度台、爽やかなキレと、すっきりした辛口の味わいが特徴です。その特徴から、和食系の料理や野菜など、カロリーが低めのあっさりした酒肴や食事によく合いますが、油を使った料理では口中をすっきりさせるウォッシュ効果が見られるなど、多様な料理と合わせてお酒を楽しめます。おかげさまで2008年9月の新発売以来、飲食品の糖質を気にされるなど健康意識の高い方や、これまで日本酒をたしなむ機会の少なかったお客様からも好評を得て、販売数量は好調に推移し、日本酒の新たなカテゴリーの商品として定着しつつあります。
当社は「健をめざし、酒(しゅ)を科学して、快を創る」をコーポレートブランドコンセプトとしており、糖質ゼロの開発は、まさにこのコンセプトを実現したものであると言えます。日本酒のおいしさをもっと多くの人に伝え、楽しんでいただくために、今後も新製品の開発に取り組んでまいります。

【参考文献】

  • 犬童雅栄「糖質ゼロ清酒」化学 Vol.64 No.12 p42-43 (2009)
  • 犬童雅栄、堤 浩子「「糖質ゼロ 清酒」の開発」日本生物工学会和文誌 Vol.87 p448-449 (2009)

(掲載日:2010年10月1日)
(改訂日:2011年8月19日)

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