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しぼるのは今!全国の蔵元を支援するキットです

ピルビン酸測定スティック「ピルビン酸測定スティック」は、清酒もろみの上澄み液またはろ過した液に試験紙を浸すことで、ピルビン酸の濃度が簡便に測定でき、酒をしぼる時期の指標となります。これまで経験やカンに頼る部分の多かった酒造りの工程を、より精緻に管理し、品質の向上に寄与します。

<研究キーワード:日本酒/清酒、ピルビン酸、測定キット、簡易/簡便/短時間 (pyruvate (pyruvic acid), detection, kit)>

ピルビン酸が多く残ると劣化臭発生

酒もろみをしぼる時期の判定には、アルコール、日本酒度(比重)のほかに、ピルビン酸の濃度が重要と言われています。しぼった酒の中にピルビン酸が多くふくまれていると、木香様臭(きがようしゅう)やツワリ香と呼ばれる劣化臭が発生する原因になり、品質上好ましくないからです。

もろみの発酵中、酵母の菌体内では「ブドウ糖→ピルビン酸→アセトアルデヒド→アルコール」の順に代謝が進みます。その過程で、ピルビン酸の濃度は発酵の前半で増加し、後半で減少していきます。劣化臭を発生させないためには、発酵の後半でピルビン酸がじゅうぶん減少した状態で酒をしぼることが必要です。
ピルビン酸が多く残った段階のもろみに、醸造アルコールを添加してしぼると、酵母の代謝にショックが加わり、木香様臭を発生するアセトアルデヒドが酒中に多く残ります。また、ピルビン酸から生じるα-アセト乳酸が自然酸化し、ツワリ香(ジアセチル)へと変化します。
特に吟醸酒は10度前後の低温で緩慢に発酵させるので減少速度が遅く、ピルビン酸が残りやすくなります。そのため、しぼるタイミングが重要で高度な判断が求められます。 酒をしぼる時期が早すぎたり遅すぎたりしないよう、良酒を造るための指標としてピルビン酸の濃度を測定することは、特に最終段階のもろみで重要な検査です。

「ピルビン酸測定スティック」で簡易測定が可能に

「ピルビン酸測定スティック」は、ピルビン酸に特異的な酵素反応によって発色します。0~300ppm(1リットル中のミリグラム数)のピルビン酸濃度を試験紙の色調の違いにより判定するもので、分光光度計など高価な実験機器や設備をそろえなくても簡便に測定できます。

ビルビン酸の測定原理

測定方法の概要

スティックをもろみのろ液に浸すと、10分後にピルビン酸濃度を判定できます。

「ビルビン酸測定スティック」での測定方法

 

【学会発表】

  • 安定性の高いピルビン酸オキシダーゼを用いたピルビン酸測定キットの開発、醸造学会、1999
    ○中野真知、白石艶子、秦洋二、川戸章嗣、安部康久

【参考文献】

  1. J. Brew. Soc. Japan, Vol. 102, No. 4, p. 309-313 (2007)
  2. 財団法人日本醸造協会発行「清酒製造技術」 p. 338 昭和54年3月30日発行
  3. Agr. Biol. Chem., Vol. 28, No. 5, p. 279-285, 1964
  4. 第38回独立行政法人酒類総合研究所講演会 平成14年10月15日(火)
    6.「酒類中のジアセチル生成について」 

【関連情報】

(掲載日:2004年9月1日)
(改訂日:2016年1月20日)

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