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環境への取り組み

酒造りと環境

酒造りでは、米を原料として醸造する工程で生じる副産物を、さまざまな用途に活用します。精米で出た糠は、米ぬか油などの原料として有効に利用されます。しぼった酒粕は主として食用に供され、一部は肥料や飼料としても利用されるなど、製造工程の副産物は、余すところなく利用されています。一方で、原料の処理や運搬、微生物が働きやすい環境を整えるために動力や熱源などのエネルギーが必要となります。
当社では、生産工程での省エネルギー対策や、省資源対策を行うとともに、酒粕を肥料として用いた循環型農業への取組み、小学校での環境学習授業の実施、食用にならない植物を原料にしたバイオエタノール生産技術の開発、地域の清掃活動への参加など、幅広い活動に取り組んでいます。

環境マネジメントシステム

国際規格「ISO14001」の認証

国際規格「ISO14001」の認証当社は、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証を、2008年10月16日に取得しました。認証に含まれる部門は、経営本部、営業本部(営業統括部・貿易部・物流部)、製造本部です。年度ごとに環境改善目標を設定し、継続的な環境保全活動に取り組んでいきます。

 

月桂冠株式会社「環境方針」(環境活動の基本理念、行動指針)

環境マネジメントシステム「ISO14001」の認証を取得(月桂冠ニュース:2008年10月21日)

チャレンジ25キャンペーン

地球温暖化防止のための国民運動「チャレンジ25キャンペーン」に、全国の営業拠点(札幌、仙台、東京、名古屋、京都、大阪、岡山、高松、福岡)を含む全社で参加しています。

「チャレンジ25キャンペーン」のサイトへ

これまでの取り組み

省エネルギー対策や省資源対策に継続して取り組む中、2007年2月、京都独自の「KES環境マネジメントシステム・STEP2」を本社、大手蔵、昭和蔵、物流センターに導入しました。2007年12月には、国際規格である「ISO14001」認証取得に向けた活動を、社長・大倉治彦(同マネジメントシステムの最高責任者)のキックオフ宣言によりスタートさせ、2008年10月16日に認証を取得しました。

省エネルギー

省エネルギー対策

月桂冠昭和蔵のコジェネレーション設備従来の重油焚きボイラーを廃止し、ガス焚き貫流ボイラーを採用することで、エネルギーの転換を図りました(2002年)。続いてコジェネレーション(熱電併給)設備(2003年)を導入しました。コジェネレーション設備は、エネルギー源(天然ガス)を動力や電力に変換し、そこで生じたガスエンジン冷却水の排熱や、排ガスの熱を利用してボイラー、冷凍機を運転することにより、エネルギーを効率的に利用できるものです。これらを含めた総合的な省エネルギー対策により、二酸化炭素発生の削減に努めています。 また工場全体のエネルギーを効率的に利用するために、電力利用状況をリアルタイムに把握できる集中監視システムの整備を進めています。

空調のエネルギーコスト削減

高級酒を貯蔵する大手蔵貯酒庫の屋根と壁面に、外気や太陽光の影響を少なくする特殊コーティングを施し、貯酒庫内の空調エネルギーの効率を上げる対策を実施しました。

廃棄物の削減と再資源化

排水処理時に発生する汚泥を再資源化

酒類や食品関係の工場から汚泥が集められ、街路樹の剪定枝と共に発酵させた後、堆肥として製品化されています(JA京都中央の「JA活緑」)。米を洗う際に出る排水や、発酵・貯蔵タンクの洗浄排水には有機物が多く含まれています。これらの排水は、微生物を使った活性汚泥処理法と呼ぶ浄化法できれいにしてから排出します。この処理の過程で、有機物を分解した微生物は増殖し、汚泥状の残渣となります。この余剰となった汚泥は、以前はゴミ処分場で焼却された後、埋め立てなどに使われていましたが、1998年以降は、堆肥の原料として全量を再資源化しています。

資源の減量化とリサイクルしやすい容器の使用

流通や消費段階での廃棄量を抑制するために、各種容器包装資材の減量化を進めてきました。具体的には、紙パック容器やシュリンクフィルム、カップ酒のプラスチックキャップ、外箱などを薄肉化・軽量化すると共に、ギフト商品のパッケージの簡素化、一部の商品では輸送用段ボール箱内の間仕切りも省略するなど、パーツの使用量も減らしています。
リサイクルに関しては、シュリンクラベル(ペット素材)にミシン目を入れ、容器から取り外して分別しやすく改良しました(一部の小型商品をのぞく)。みりんの容器は、リサイクル施設での分解が不要となるよう、本体と取手を同じペット素材にしています。
また、当社は「容器包装リサイクル法」に定められた特定事業者として、再商品化にかかる費用を財団法人日本容器包装リサイクル協会に拠出しています。

ガラスカップ詰めの商品「エコカップ」(210ミリリットル)を2010年9月に新発売しました。容器を軽量化し、資源の有効活用やゴミの減量化など環境負荷の低減をねらった商品です。従来の容器(200ミリリットル)から、一本あたり17%分にあたる26グラムのガラス資材を削減し、同時に内容量を増すことで酒を10ミリリットル増量、210ミリリットル詰めの商品としました。一方で価格は従来のアイテムと同じに据え置きました。エコロジー(ガラス資材削減による環境への寄与)とエコノミー(増量・価格据え置きによるお客様にとっての経済性)との「ダブルエコ」をコンセプトに、当社の事業活動の中で共通価値の創造を実現したものです。

月桂冠「エコカップ」また、「エコカップ」の新発売を機に「エコカップ環境保全活動キャンペーン」を、2010年9月から12月上旬までの約3か月にわたり実施しました。「エコカップ」1本をお買い上げごとに1円分、計「4,839,267円」を社団法人国土緑化推進機構「緑の募金」へ当社から寄付しました。このキャンペーンによる寄付に対して、2011年2月24日、林野庁長官から感謝状が授与されました。寄付金は森林整備や緑化推進などの活動に使われます。酒造りに用いる地下水の水源も森の緑が育んだものであり、その恵みを受けて醸した日本酒をお客様にお届けしています。

新カップ酒、軽量容器で酒増量 月桂冠「エコカップ」新発売(月桂冠ニュース:2010年8月5日)

「緑の募金」への寄付で、林野庁長官から感謝状 月桂冠「エコカップ」環境保全活動キャンペーン(月桂冠ニュース:2011年3月9日)

月桂冠「エコカップ」が最高賞の「経済産業大臣賞」受賞 第50回 ジャパン・パッケージング・コンペティション (月桂冠ニュース:2011年4月19日)

「エコカップ」商品ページ

「米から酒へ・酒から米へ」循環型の農業と酒造り

酒粕を肥料として栽培した米で純米酒を醸造

米から酒へ、酒から米へ月桂冠は、JA東びわこ・稲枝地区(滋賀県彦根市)と、循環型の農業と酒造りに1996年から取り組んでいます。酒粕を主体にした有機質肥料を用いて稲を育て、収穫した米で酒を造り、その酒粕を肥料として再び土に返し、稲を育てるという「米から酒へ・酒から米へ」の循環を繰り返すものです。

稲枝地域の農家は、琵琶湖の水質への影響を少なくするために、従来から有機質肥料の割合を高めるなど、環境への配慮に取り組んでいたことから、新たなアイデアとして酒粕を肥料とした米作りと酒造りに取り組むことにつながりました。

(左)「厳選素材・純米酒」(中)酒粕活用実証圃で生育途上の日本晴(右)その収穫の様子肥料は、酒粕を乾燥・粉砕し、肥料会社で粒状に加工されたものを使います。酒粕には、米由来のデンプンのほか麹や酵母由来のタンパク質、繊維質などの有機物が多く含まれており、特にタンパク質中の窒素成分が栄養素として稲の生育に活用されます。田んぼの土作りにも稲わら、もみ殻など有機物が用いられています。
これからも循環型社会に貢献できるよう取り組みを進めます。

バイオ燃料生産技術の開発

スーパー酵母月桂冠総合研究所では、酒造りの技術と微生物(清酒酵母、麹菌)の働きを応用して、もみ殻や稲わらなど食用にならない植物原料からバイオエタノールを生産する技術の開発を進めています。清酒酵母に、麹菌のセルロース分解酵素の遺伝子を組み込み、酵母の細胞表面に酵素が並ぶようにした「スーパー酵母」を開発しました。この酵母の働きにより、単独で糖化と発酵を担わせるようにするものです。清酒酵母はアルコールの生産能力が優れており、長年の食経験からも安全性が非常に高いことが注目されています。

麹菌さらに、酒造りに用いるもうひとつの微生物、麹菌(こうじきん)に、強力なセルロース分解酵素を大量生産する機能を持たせた「スーパー麹菌」を開発し、植物原料の前処理を代替させる研究を行っています。これに「スーパー酵母」を作用させ、グルコースへの分解とエタノールへの変換を連続的に進めようとするものです。

バイオ燃料生産技術開発今後、「スーパー麹菌」の開発をさらに進め、「スーパー酵母」と共に、全工程を微生物に担わせるバイオ燃料生産システムの構築を検討していきます。この新しい生産システムは、クリーンでコンパクトな装置で製造ができるため、植物原料が発生する場所で処理を行う、地域分散型のバイオ燃料生産が可能となります。

実用化には、スーパー麹菌とスーパー酵母によるアルコールの収量・収率を高めていくと共に、バイオマスの収集からアルコールの精製までを担う社外の様々な技術との統合が課題となります。日本の酒造りの中で培われてきた発酵技術、微生物や酵素の利用技術を活かすことが地球環境問題解決への一助になればと考え、開発を進めていきます。

バイオエタノール生産技術の開発、「スーパー麹菌」活用し非食用の原料から
(月桂冠ニュース:2008年8月8日)

スーパー酵母によるバイオエタノール生産技術を共同開発
(月桂冠ニュース:2008年3月19日)

月桂冠総合研究所:新規技術開発(研究リポート)
「スーパー酵母でバイオエタノールをつくる!」

京都市内小学校で環境学習の出前授業

京都市内小学校で環境学習の出前授業の様子と「卒業試験クイズ」の正解者に差し上げているはっこう博士認定バッジ。京都商工会議所の「小学生への環境学習事業」の一環として、月桂冠総合研究所では、地元京都の小学校への出前授業を行っています。同事業の「科学する心」を養うという主旨から、当社の特徴を生かし、「はっこうで食べ物をおいしくする」「はっこうが地球をすくう」をテーマに授業を進めています。小学生にとっては、まだなじみのうすい「発酵」についての学習をベースに、日ごろよく耳にして関心の高い「環境」へと発展させるもので、「はっこう博士」に扮した研究員が説明します。

発酵食品とその原料の組み合わせを考える「はっこう食品探し」のコーナーでは、当社が準備した手作りの「食品トランプ」を使ってグループ学習に取り組んでもらいます。その中で、発酵食品は微生物を利用してつくることや、微生物の働きで食品がおいしくなることを学びます。エネルギーを発酵の力でつくるバイオエタノールの紹介では次々と手があがり、小学生の地球環境問題への関心の高さをうかがわせます。

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