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月桂冠ニュース(200909_02) 2009年9月16日
清酒副産物を活用し

飲酒時の呼気アルコール濃度を低減

 

月桂冠株式会社は、発酵処理した清酒副産物を摂取することで、飲酒後の呼気アルコール濃度を低減する効果があることを確認しました。この研究成果を「平成21年度 日本醸造学会大会」で、9月18日に発表します。
具体的には、もろみを液状化して仕込む当社独自の清酒醸造法(液化醸造)で得られた、タンパク質が豊富な酒粕を、乳酸菌・ラクトバチルス・ブレビス( Lactobacillus brevis )で発酵させた原料(乳酸菌発酵酒粕液)でテスト飲料を作り実験に用いました。この飲料を飲酒前に「摂取した場合」と「摂取しない場合」とで、呼気アルコール濃度の減少の仕方を比較しました。その結果、テスト飲料を「摂取した場合」、呼気アルコール濃度が約2割から3割低減することが、飲酒後2時間、3時間において認められました。呼気アルコール濃度は、酔いの度合いを表す血中アルコール濃度と連動していることから、このテスト飲料により飲酒時の酔いの度合いを低くできることが期待できます。

アルコールは肝臓で代謝され、まずアセトアルデヒドと呼ぶ物質になります。アセトアルデヒドは、分解酵素(アルデヒド脱水素酵素)により酢酸に分解されます。 アルデヒド脱水素酵素には「ALDH1」「ALDH2」がありますが、特に「ALDH2」が働きにくく、アセトアルデヒドの分解が遅くなると、赤面や吐き気、頭痛、脈拍上昇などの症状となって表れます。これらのことから、体内でアルコールを代謝する酵素の遺伝子型による、呼気アルコール濃度の変化の違いを見てみました。その実験の結果、「ALDH2」の遺伝子が欠損しておらず正常に働いている人に対しては、テスト飲料を摂取することで、より高い効果が認められました。このことから、テスト飲料に含まれる成分が「ALDH2」の働きに関係している可能性が示唆されました。

当社ではこれまで、清酒とその副産物を対象に、酒粕中のタンパク質を分解して得られるペプチドなどさまざまな物質の機能性を見出し、生理活性の探索を行ってきました。もともと酒粕には、米や酵母由来の成分が多く含まれていますが、さらに乳酸菌で発酵させることにより、ペプチドやアミノ酸、有機酸などの有用な成分がより豊富になります。乳酸菌発酵酒粕液の呼気アルコール濃度に及ぼす影響について、今後さらに確認を進め、飲食品にさまざまな機能を付与するなどの応用についても検討していきます。

学会での発表

 

学会名 平成21年度 日本醸造学会大会
発表日時 2009年9月18日(金)15:30
会場 北とぴあ つつじホール(東京都北区王子1-11-1)
演題と研究 酒粕を用いた食品の飲酒後の呼気アルコール濃度に及ぼす影響
発表者
(○印は当日の演者)
○入江元子、松村憲吾、鈴木佐知子、金森洋治、秦洋二(いずれも月桂冠株式会社)

月桂冠総合研究所について

1909(明治42)年、11代目の当主・大倉恒吉が、酒造りに科学技術を導入する必要性から設立した「大倉酒造研究所」が前身。1990(平成2)年、名称を「月桂冠総合研究所」とし、現在では、酒造り全般にわたる基礎研究を行うと共に、バイオテクノロジーによる新規技術の開発、製品開発まで幅広い研究に取り組んでいます。 今年(2009年)で創立100周年を迎えました。
(所長=秦 洋二、所在地=〒612-8385 京都市伏見区下鳥羽小柳町101番地)

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