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月桂冠ニュース(201003_05) 2010年3月9日
伏見奉行所跡で発掘された徳利ほか

「鳥羽伏見の戦い」遺物を月桂冠大倉記念館で展示

 

創業時の屋号「笠置屋」を表す「かさぎや」の銘入り徳利(左)
薩摩軍の砲弾(右)と幕府軍の弾丸
▲創業時の屋号「笠置屋」を表す「かさぎや」の銘入り徳利(左)
薩摩軍の砲弾(右)と幕府軍の弾丸

月桂冠大倉記念館(京都市伏見区)では、伏見奉行所跡から発掘された「鳥羽伏見の戦い」に関係する遺物を、3月13日(土)から展示します。「ふしみ」「かさぎや」の銘入りの徳利や戦闘に使われた砲弾・弾丸などを、館内のショーケース1台分に展示するものです。
徳利に描かれた「かさぎや」は、当社が1637(寛永14)年に創業した当時からの屋号「笠置屋」を表しています。初代の大倉治右衛門が、笠置(現在の京都府相楽郡笠置町)から出てきたことにちなむ名称です。徳利は出土の年代から、10代目の当主(1837年生―1886年没)が本宅で醸した酒を詰めていたものだったことがわかりました。

発掘された徳利は、酒の量り売りに使われていた「通い徳利」と呼ぶ容器です。高さ34センチメートル、胴部分の最大径(直径)12.4センチメートル、容量は約1.4リットルと大型です。当記念館が所蔵する伝世品 の同様の徳利には、丹波焼の鉄釉の化粧地に、竹筒で釉薬を流し込む筒書きで「ふしみ」「かさぎや」と白色の盛り上がった文字が描かれています。一方、出土した徳利の一つは、割れずに完全な形で見つかりましたが、鳥羽伏見の戦い(慶応4年=1868年1月)の戦火により表面が焼けただれ、白色の釉薬は剥がれて削り取ったような文字跡が見られました。量り売りされた酒は長期間保存するものではないことから、奉行所に逗留していた新選組の隊士らが、いくさを前にして笠置屋の酒を飲んでいたことも想像できます。

発掘調査は2008年5月から翌年3月にかけて、京都市伏見区東奉行町、同西奉行町の約3000平方メートルについて行われました。桃山丘陵の南西斜面に位置する、伏見城の初期の城郭や大名屋敷の跡であり、後には伏見奉行所が所在していました。調査は西近畿文化財調査研究所(所長・村尾政人氏)が担当し、古くは縄文・弥生時代から幕末、第二次世界大戦時の日本陸軍、戦後の米軍駐屯地時代までの遺物が発掘されています。月桂冠大倉記念館では、代表的な遺物43点を長期的に借り受け、伏見の歴史にちなむ企画展示を今後実施していく予定です。今回の展示では、鳥羽伏見の戦いで幕府軍が使った旧式の火縄銃の弾丸、並びに薩摩軍が使った砲弾や洋式銃の弾丸なども展示します。これらの展示を通じて、幕末の歴史舞台、当時の酒造業の営みに思いを馳せていただくことになればと考えています。

鳥羽伏見の戦い

慶応4(1868)年1月に勃発。薩摩・長州を中心とする新政府軍と、幕府軍が伏見で対決。
中でも、御香宮神社に陣取る薩摩軍、南側に位置する伏見奉行所の新選組や会津藩兵との間では、激しい戦闘が行われました。伏見奉行所は焼け落ち、市街戦により街中の多くの家屋も戦災に遭いました。19世紀前半に普請した酒蔵兼居宅の「大倉家本宅」(月桂冠本社西側に現存)は幸いにも罹災しませんでしたが、本宅前の通りを挟んですぐ北側、その並びに連なる船宿や町家の多くは焼失しました。本宅前には、400メートル東の伏見奉行所を防衛するために、敵軍からは見通せないようL字型に配された遠見遮断の街路が現在も残っています。

「月桂冠大倉記念館」(京都市伏見区)

伏見の酒造りと日本酒の歴史をわかりやすく紹介する資料館です。館内には、京都市の有形民俗文化財に指定された6120点の酒造用具のうち代表的なもの約400点を酒造りの工程にしたがって展示しています。また、酒造りの作業に合わせ唄われてきた「酒造り唄」が流れ、かつての酒蔵の雰囲気を再現しています。1909(明治42)年建造の酒蔵を改装し、1982(昭和57)年に開設、創業350年にあたる1987(昭和62)年5月15日から一般公開しました。現在では年間10万人を超えるお客様に来館いただいています。

・ 所在地 〒612-8660 京都市伏見区南浜町247番地
・ 電話 075-623-2056(団体15名様以上 見学のご予約)
・ アクセス 京阪本線・中書島駅から徒歩5分、伏見桃山駅から徒歩10分
JR京都駅から 近鉄京都線に乗り換え、桃山御陵前駅から徒歩10分
JR京都駅から JR奈良線に乗り換え、桃山駅から徒歩18分
・ 開館時間 午前9:30~午後4:30
・ 休館日 盆、年末・年始
・ 入館料 大人=300円、中学・高校生=100円
お土産付=純米酒180ML(未成年の方は「酒造り絵葉書」)

 

※「伏見城跡・桃陵遺跡発掘調査」による伏見奉行所跡からの出土品は、2014年4月26日(木)まで、京セラ美術館(京都市伏見区竹田鳥羽殿町6、京セラ本社ビル1階)の展覧会「流れる歴史の舞台 伏見の近世の伏見展~伏見城と鳥羽・伏見の戦いを中心に」で展示されています。

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