![]() |
2010年5月13日 |
![]() |
酒粕分解ペプチドに肝障害予防効果を確認 |
日本栄養・食糧学会で発表 |
![]() |
月桂冠株式会社は、機能性食品研究において、酒粕を酵素分解して生じたペプチド(以下、酒粕ペプチド)に肝障害予防効果があることを明らかにしました。この研究成果を「第64回日本栄養・食糧学会大会」で、5月23日に発表します。 今回の研究では、酒粕ペプチド中に、抗酸化活性を有するペプチドが17種類含まれていることを液体クロマトグラフ質量分析計解析により確認し、その構造を決定しました。これら抗酸化活性に寄与する主要なペプチドは、アミノ酸2または3個からなるものが多く、抗酸化ペプチドとして医薬品にもなっているグルタチオンと同等の活性を有していることを確認しました。肝臓は生体内で過剰な活性酸素や過酸化脂質が集中する臓器であることから、抗酸化活性は肝臓機能を保護する上で重要と考えられています。 当社では、清酒副産物である酒粕から種々の機能性を見出し、その有効成分がどのようなものであるかを確認してきました。特に、清酒もろみを液状化して仕込む当社独自の清酒醸造法で得られた酒粕は、通常の酒粕に比べて米由来のタンパク質含量が約2倍と豊富に含まれる点に着目し、機能性食品としての利用を視野に研究を進めています。酒粕にタンパク質分解酵素を作用させると、アミノ酸がいくつか連なった構造のペプチドに断片化し、体内に吸収されやすくなることも機能性食品としての利点になります。
1909(明治42)年、11代目の当主・大倉恒吉が、酒造りに科学技術を導入する必要性から設立した「大倉酒造研究所」が前身。1990(平成2)年、名称を「月桂冠総合研究所」とし、現在では、酒造り全般にわたる基礎研究を行うと共に、バイオテクノロジーによる新規技術の開発、製品開発まで幅広い研究に取り組んでいます。 |
![]() |