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月桂冠ニュース(201109_02) 2011年9月26日

日本生物工学会「技術賞」「江田賞」の両賞を受賞

 

月桂冠総合研究所による研究成果が、バイオテクノロジーなど生物工学関係の研究発表を行う日本生物工学会で、「第20回生物工学技術賞」(月桂冠総合研究所と花王ビューティーケア研究センターとの共同研究)と「第44回生物工学奨励賞(江田賞)」の両賞を受賞しました。9月26日(月)午前9時から、東京農工大学(東京都小金井市)行われた授賞式典で各賞が授与されました。

第20回生物工学技術賞

・受賞者:中村 幸宏(1)、山中 寛之(1)、秦 洋二(1)、江波戸厚子(2)、小池 謙造(2)
・所属:(1)=月桂冠株式会社総合研究所、(2)=花王株式会社ビューティーケア研究センター
・タイトル:「麹菌チロシナーゼで製造したメラニン前駆体による新規染毛料の開発」

花王株式会社ビューティーケア研究センターと月桂冠総合研究所は、染毛と醸造という異分野どうしで共同研究を進め、10年近くをかけて染毛剤の商品化に成功しました。黒髪が本来持つメラニン色素で白髪を染めるために、酒粕に黒い斑点が生じる「黒粕」現象の予防をめざして研究していた麹菌チロシナーゼを応用しました。この麹菌チロシナーゼを用いてメラニン前駆体(メラニンに変化する前の状態)の工業生産技術を開発することができました。メラニン前駆体は、空気中で速やかにメラニンヘと変換する不安定な物質ですが、化学合成法ではなくバイオプロセスにより、植物由来の原料(DOPA)を用いて生産することが特徴です。従来の酸化剤を使用するヘアカラーと比較して作用は穏やかで、染毛操作も簡便、毛髪ダメージが低く、使用ごとに徐々に髪が黒く染まっていくという、染毛料として新規な特徴を有する商品を完成させたものです。

第44回生物工学奨励賞(江田賞)

・受賞者:小髙 敦史
・所属:月桂冠株式会社総合研究所
・タイトル:「二倍体清酒酵母の新しい育種法の開発とその応用」

清酒酵母は遺伝情報を2セット持った二倍体であることから、一倍体の酵母のように互いを交配させて、有用な物質を生産する能力を高めた株を得ることが難しいと言われてきました。胞子を形成する能力も低く、交配による育種により有用な遺伝情報を必ずしも発現させることができないことからです。そこで、ヘテロ接合性の消失という現象を利用した二倍体清酒酵母の育種方法(high-efficiency loss of heterozygosity) を開発、もとの性質を損なわず、目的とする有用な性質を発現する株を高い頻度で選抜できるようにしました。二倍体清酒酵母の育種を容易にしたことにより、清酒中の重要な香気成分の強化、バイオエタノール生産の効率化などに応用できることも見出しました。清酒酵母のさまざまな能力を向上させ、産業利用への寄与も期待できる成果です。

学会名 第63回 日本生物工学会大会
開催期間 2011年度9月26日(月)~28日(水) ※授賞式典は26日午前9:00から実施された
会場 国立大学法人東京農工大学 小金井キャンパス (東京都小金井市中町2-24-16)

月桂冠総合研究所について

1909(明治42)年、11代目の当主・大倉恒吉が、酒造りに科学技術を導入する必要性から設立した「大倉酒造研究所」が前身。1990(平成2)年、名称を「月桂冠総合研究所」とし、現在では、酒造り全般にわたる基礎研究を行うと共に、バイオテクノロジーによる新規技術の開発、製品開発まで幅広い研究に取り組んでいます。
(所長=秦 洋二、所在地=〒612-8385 京都市伏見区下鳥羽小柳町101番地)

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