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没後400年、高山右近関連史跡「信仰の小道」を月桂冠が継承
ウェブサイト「キリシタン大名・高山 右近と京都伏見」公開

2015年11月12日

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【URL】 https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/bunko/takayamaukon/index.html

月桂冠株式会社(所在地:京都府京都市、代表取締役社長:大倉 治彦)は、「キリシタン大名・高山 右近と京都伏見」と題するウェブサイトのコーナー(日本語版と英語版)を、2015年11月12日に公開しました。

■高山 右近について

高山 右近(生年:1552年、没年:1615年)は、安土桃山時代のキリシタン大名として知られており、今年は没後400年に当たります。近々、ローマカトリック教会から聖者に次ぐ位の「福者」に認定される見通しとなっています。高山 右近の大名屋敷は、豊臣 秀吉時代の城下町を描いた古絵図(豊公伏見城ノ図:部分を抜粋)により、月桂冠本社の南側(京都市伏見区丹後町、月桂冠大倉記念館からは東側)あたりに所在していたことが知られています。高山 右近と京都伏見との関わりを掘り下げて紹介することで、歴史散策や観光でお越しになる方々の楽しみを増していただこうと、この度、ウェブサイトに情報を掲載しました。

■「信仰の小道」継承の背景

月桂冠では、高山 右近「福者」認定への動きに関する報道に改めて注目し、文献などを調査しました。その中で、月桂冠本社の南側にあったとされる高山 右近の武家屋敷は1604年から存在するイエズス会の「伏見教会」であり、右近の従兄弟にあたるマルコ孫兵衛の名義で建てられたと推測されていることを、京都聖母女学院短期大学の名誉教授・三俣俊二氏の著書(※1)で確認しました。
1614年の禁教令により「伏見教会」は破壊されましたが、それから23年後の1637年(寛永14年)に創業した月桂冠の敷地として、教会へ西側から入り込む小道が現在に受け継がれてきたことを改めて確認しました。小道は、城下町図に描かれた通路に呼応する形で、月桂冠大倉記念館(※2)駐車場の北東端に現存しています。さらにこの小道は、室町期の御崇光太上天皇の御陵(現在の宮内庁「伏見松林院陵」)への参道として、明治期以降、御陵の敷地に直結していたことが公図から判明しました。江戸時代初期には高山 右近が関わった「伏見教会」への小道として、明治期以降には御陵への参道として機能したことにより、往時の形を保って区画が維持され、今日まで残ったものと推測しています。

月桂冠では、「伏見教会」への小道あとに踏石を敷くなどの整備を行いました(写真は現況)。高山 右近ゆかりの新たな史跡として注目されており、今春頃から、カトリック教会の関係者らが訪ねられるようになっています。月桂冠大倉記念館(※2)に展示中の「享保三年 勘定帳」(1718年、月桂冠が所蔵する最古のもの)には、当社の前身となる笠置屋が商った酒として「南蛮酒」の名称が記されています。また、同記念館展示室南側の庭園にはキリシタン灯籠を置いています。これら関連遺物と共に、高山 右近ゆかりのイエズス会「伏見教会」への小道を、今後も広く紹介していきます。

■ウェブサイト 「キリシタン大名・高山 右近と京都伏見」

【公開日】 2015年11月12日(木)
【内容】 <1>キリシタン大名・高山右近と京都伏見
     <2>高山右近ゆかりの伏見教会
      「首都」伏見/城下町図に2か所の「高山右近」邸/イエズス会「伏見教会」
     <3>現在に引き継がれた「信仰の小道」
      「伏見教会」への小道が現存/伏見松林院陵/時代を超えて信心が寄り添う
     <4>「京都伏見に残るキリシタンの足跡
      信仰の広まり、そして迫害・殉教/城下町から、宿場町・港町へ/
      江戸期勘定帳に見る「南蛮酒」の記述/受け継がれたキリシタン灯籠

備考)冒頭のウェブサイトのイメージに使用した意匠は、カトリック高槻教会(所在地:大阪府高槻市野見町2-26)の許可を得て、月桂冠が撮影した画像を含んでいます。

【注釈】

※1 三俣俊二 「伏見キリシタン史蹟研究」聖母女学院短期大学伏見学研究会・編 『伏見の歴史と文化』(京・伏見学叢書1)、清文堂出版(2003年)

※2 月桂冠大倉記念館について
所在地: 〒612-8660 京都市伏見区南浜町247番地
TEL  : 075-623-2056
URL  : https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/
お酒の資料館として、明治期(1909年)建造の酒蔵を改装し1982年に開設、1987年から一般公開しました。京都市の有形民俗文化財に指定された酒造用具類を所蔵し、伏見の酒造りと日本酒の歴史をわかりやすく紹介しています。

※ニュースリリースに掲載している情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは、異なる場合があります。