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「日本酒は悪酔い・二日酔いしやすい」というのは本当ですか? 酒の種類に関わらず、飲む過ぎれば悪酔いに

「日本酒は悪酔い・二日酔いしやすい」というのは本当ですか?
酒の種類に関わらず、飲む過ぎれば悪酔いに

飲み方・使い方を知る - 酒と正しくつきあう

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事実ではありません。酒の種類に関らず同量のアルコールは同じ時間で分解され、飲酒量が多ければ二日酔い・悪酔いするのは、アルコール飲料であれば同じです。日本酒だけが取り立てて二日酔い・悪酔いしやすいとは言えません。

「焼酎と違い日本酒は、糖やアミノ酸を含んでいるのでアルコールを分解するのに時間がかかるから残りやすい」などと言われることがありますが、科学的な根拠はなく、事実ではありません。もし、糖やアミノ酸がアルコールの分解を阻害するのであれば、いっしょに食べた酒の肴が二日酔いの原因だと言っているのと同じことになります。

酔いの症状は飲酒後すぐには表れません。口当たりが良いからと飲みすぎてしまうことにも注意してください。日本酒はアルコール分が十数%含まれています。ビール類(約4~5%)、お湯や水で割った焼酎を飲むのと同じ感覚で、比較的速いペースで飲むと、アルコールの摂取量が多くなってしまいます。肴や食事と共にゆっくり飲むのが日本酒を健康的に楽しむコツです。

「悪酔い」と「二日酔い」は別の症状なのですか?

別の症状です。まず、「悪酔い」は飲酒後2~6時間に現れます。血中のアセトアルデヒド濃度が高くなりすぎれば、赤面、吐き気、頭痛、脈拍数上昇などの症状が現れるものです。「二日酔い」は飲み過ぎた翌朝に起こり、アルコールを飲んだ8~14時間前後に頭痛、嘔吐、発汗などをともなう不快な症状が表れることをいいます。
飲酒後、体内でのアルコールの変化を見ると、アルコールはADH(アルコール脱水素酵素)の作用でアセトアルデヒドに、次にアセトアルデヒドはALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)の作用で酢酸と水に分解されます。この変化の途上で、アセトアルデヒドの血中濃度が高くなりすぎれば、悪酔いの症状が表れます。

飲酒後、体内でのアルコールの変化の図

一方、「二日酔い」の原因はこれまで、悪酔い同様、血中のアセトアルデヒド値の上昇とされてきました。しかし二日酔いの症状は、血中のアルコール値、アセトアルデヒド値が低下した時点以降に生じることから、アセトアルデヒドが直接の原因ではないと考えられるようになりました。血中のカテコールアミン(ドーパミン、アドレナリンなど神経伝達物質)の上昇や、アルコールが中枢神経系(ドーパミンニューロン)に直接作用して成長ホルモンなどの分泌に変化を生じていることなどが原因にあげられています。

「日本人はお酒に弱い?」「日本酒は残りやすい?」「冷酒は酔いやすい?」

日本人はお酒に弱い?

「悪酔い」しやすいかどうかは、アセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH)をつくる遺伝子を持っているかどうかに関わっています。遺伝子が働けば、その命令によりアセトアルデヒドを分解する酵素(ADH)が生産されます。
アセトアルデヒドを酢酸に変える酵素ALDHには、アセトアルデヒドが高濃度のときに働くALDH1と、アセトアルデヒドの濃度が低い時に働くALDH2があります。日本人を含むモンゴロイドには、このALDH2が生まれつき弱いか、欠けている人がいます。このような人はアセトアルデヒドの分解力が弱く、そのため少量のアルコールで顔が赤くなり悪酔いします。日本人では約半数が該当しますが欧米人には全くみられず、欧米人に比べると日本人はお酒に弱い方が多いといえます。

日本酒は残りやすい?

かつて、「焼酎はアルコールの吸収や分解を遅らせる糖やアミノ酸といった栄養素が含まれていないので二日酔いにならない」、「日本酒はさまざまな栄養素がアルコールと結合していて、これらを切り離すぶん処理が遅くなり、次の日に残る」などと、テレビ番組(『発掘!あるある大事典』:「焼酎」をテーマに2003年2月9日放送)で放送されたことがありました。誤解に基づく情報で、全く間違った認識です。
焼酎であろうと日本酒であろうと、同量のアルコールは同じ時間で分解され、飲酒量が多すぎれば二日酔い・悪酔いになるのはどの酒でも同じです。もし糖やアミノ酸が分解を遅らせるのであれば、食事やつまみに含まれる糖やアミノ酸が二日酔い・悪酔いの原因になってしまいます。逆に、アミノ酸は肝臓のエネルギー源の補給につながると言われています。

冷酒は酔いやすい?

「冷やは、悪酔いする」と今だに信じている人がいます。これは昔、「燗をすると二日酔いの原因となるフーゼル油を蒸発させる」という俗説があったためですが、もちろん何の科学的根拠もなく誤りです。
ただ、冷酒は口当たりが格別によく、燗酒に比べて体内で吸収される速度も遅くなり、酔いが遅れて回ります。そのため、ついつい飲み過ぎてしまうことが多くなるわけです。特に「生原酒」のような酒の場合、一般的な日本酒(13から15パーセントほど)よりもアルコールの濃度が高く(17から20パーセントほど)、さらに口当たりも良いため、度を越して飲んでしまいがちです。酔いも手伝って、ビール(アルコール分4から5パーセント)など比較的低いアルコール分の酒類と同じ調子で飲めば、悪酔い・二日酔いに陥る可能性は高くなります。そのため日本酒、特に冷酒は「翌日に残りやすい」という印象になっているようです。自分のペースと酒量を守って飲む、これは燗・冷やに関係なく注意したいルールです。

水

「二日酔い」は、どうすれば回復しやすいか?

「二日酔い」「悪酔い」になった場合の対策に決定的なものはありませんが、(1)水気のものを多くとる、(2)口あたりの良い食事、充分な睡眠をとる、(3)ビタミンC・消化剤・強肝剤・蜂蜜・果実・果糖などをとり、安静を心がけるのが良いでしょう。
症状がひどい場合や、長時間経てもアルコールが抜けない場合などは医師の診察を受けてください。
二日酔いを繰り返すと、内臓器に悪影響を与えたり、アルコール依存症にもなりやすいと言われています。適量を超えないように飲むことが大事です。

【参考・引用文献】
  • 糸川嘉則ら編『アルコールと栄養』光生館(1992年)
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