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ヌーベル月桂冠と料理

料理と酒の相性
基本の会席料理に、効果的に酒を合わせて食膳を演出

飲み方・使い方を知る - 料理と楽しむ

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日本酒はどんな料理にも負けない腰の強さと、料理を引き立たせる香りと淡白な味わいをあわせ持っています。日本酒は「食中の酒」として、和食ばかりでなく洋食、中華などを含め、さまざまな料理との幅広い相性の良さが再認識されています。料理は、さまざまな食材とその品種・産地による特徴や調理の仕方によって、多彩な味わいが食膳で演出されます。それに合わせる酒は原料米や造りのちがい、火入れ(加熱殺菌)の有無、新酒・古酒のちがい、蔵元が所在する地域の食文化や気候・風土の影響を身にまとった酒などを、自在に組み合わせて楽しむことができます。

食中の酒:会席料理を例として

食中酒として、食事との間を寛容に取り持つ日本酒。会席料理の献立と、さまざまなタイプの酒との取り合わせの一例を紹介します。あくまでも一例であり、それぞれの酒量に合わせて、一部分を試してみるのもよいでしょう。

乾杯

低アルコールで発泡性の和酒をおすすめします。冷やして細身のグラスなどに注ぐと、炭酸ガスの泡が立ち上り、食膳での演出効果も増します。

前菜・お吸い物

前菜として季節のお料理が八寸や小鉢に盛られます。合わせる日本酒は、例えば端午の節句には菖蒲を漬け込んだ「菖蒲酒」、夏季には「生酒」など冷酒タイプの酒、秋口には適度に熟成の進んだ「ひやおろし」、冬期には新酒の「あらばしり」などを少量味わい、季節感をお楽しみいただいてはいかがでしょうか。

刺身(お造り)

華やかな香りで、淡麗な味わいの「純米大吟醸酒」をおすすめします。きりっと冷やした酒に、お刺身が良く合います。

煮物

さまざまな種類の煮物がありますが、旬の食材を使われることが多く、盛り付けに美的な工夫がほどこされて食膳に上ります。関西・関東では味の濃さが異なり、料理の仕方もさまざまですが、ここでは「純米酒」を冷や(常温)で合わせてはいかがでしょうか。最近では「純米酒」にも濃醇なものから、比較的淡麗な味わいのものまで、さまざまなタイプがみられます。

焼き物

先の煮物の際、冷やで試した「純米酒」の燗酒と、焼きたての熱い魚とを合わせてみましょう。温度帯による味わいの変化をお楽しみいただけます。

揚げ物(天ぷら)・蒸し物(茶碗蒸し)

温かい料理が続きますが、ここでは酒の種類を変えて、中庸な味わいで飲み飽きのしない「普通酒」(「特撰」「上撰」「佳撰」や「辛口」などの小印がついたもの)の燗酒を合わせてみましょう。

果物・菓子

古酒(長期熟成酒)を合わせてみてはいかがでしょうか。10年、15年と長年の貯蔵を経て、複雑で重厚、まろやかな香味に熟成した古酒は、食後酒として良い取り合わせになります。「デザートにも日本酒を合わせるの?」と、いぶかる方もおられるかもしれません。西洋料理のフルコースでは、食後酒として、ウイスキーやブランデーなどアルコール度数の高い酒が楽しまれています。

酒のタイプと酒肴、合わせ方の基本とは?

酒の味わいは、産地の気候風土や食文化の影響を受け特徴づけられてきました。日本全国の産地別に市販酒を分析したデータによると、愛媛・佐賀・岡山・山口の酒は甘口傾向にあり、富山・高知・熊本・新潟の酒は辛口傾向にあるとされています。伏見(京都)の酒は「京料理に合う酒」として洗練されていったのに対し、灘(兵庫)の酒は江戸の人々の嗜好に合う「江戸送りの酒」としてそのタイプが次第に形づくられていきました。現在では、同じ産地の中でも蔵元や商品ごとにさまざまな個性の酒が造られていますが、各地の郷土料理に、その地の酒を合わせて試してみるのは楽しいものです。
一般には、料理の進行に合わせてアルコール度数の「低い酒」から「高い酒」への順番に、また「淡麗な酒」から「濃醇な酒」へ、「冷酒」から「燗酒」へ、といった飲み方が奨められています。「温かい料理」には「燗酒」を、「冷たい料理」には「冷やした酒」を、などと言われることもあります。

日本酒と鍋料理

一方で、定石には必ずしもとらわれなくてもよいとも言えます。厳冬の寒い時期には燗酒が楽しまれる一方で、冬場を中心に楽しまれる鍋料理には冷やした酒を合わせるのが良いと考える方も多くおられます。食材と日本酒、それぞれの化学的組成の組み合わせによる相性に傾向はあるようです。しかし何と言っても、お召し上がりになる方の酒に対するお好みが大事です。 先入観にとらわれず、美感や雰囲気も含めて嗜好を楽しむために、さまざまな取り合わせを試されてはいかがでしょうか。

【参考・引用文献】
  • 勝身利子 『日本酒好きの料理ノート』 晶文社出版(1996年)
  • 田崎真也 『日本酒を味わう―田崎真也の仕事』 朝日新聞社 (2002年)
  • 『日本醸造協会誌』第83巻、第1号(1988年1月)
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