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展示場・展示品

月桂冠酒香房

「月桂冠大倉記念館」に隣接する白壁土蔵の酒造蔵「内蔵」(うちぐら、1906年建造)の中に、年間を通して酒造りのできるミニプラント「月桂冠酒香房」(さけこうぼう)を設けています。月桂冠が創業360年、会社設立70周年を迎えた1997年(平成9年)に、記念事業の一環として設置したものです。年間生産能力は40キロリットルです。これは1637(寛永14)年、当社創業当時の「笠置屋」の規模にあたります。

昔ながらの酒蔵で、モロミが発酵している様子を、ガラス越しにご見学いただけます(蒸米や仕込みなどの作業は不定期に行っており、必ずしもご覧いただけません)。ご見学は前日までに予約していただくことが必要です。月桂冠大倉記念館=電話:075-623-2056までご連絡ください。

酒米の稲穂

酒造りに用いている代表的な品種の稲穂を展示しています。祝(いわい)は、1970年代前半頃から作られなくなっていましたが、1991年(平成3年)、京都特産の酒米として復活させ、伏見の酒造メーカーが用いています。祝、山田錦、五百万石は酒造好適米に指定されており、大粒で中心部に心白(しんぱく)と呼ぶ白く潤んで見える軟かい組織を持っています。米を洗い、水に浸し、蒸す工程で吸水量の調整がしやすく、蒸した米の内部にまで麹菌が繁殖させやすいなど、目的の酒質を醸すための微細な調整がしやすく、吟醸造りに適しています。コシヒカリ、日本晴、祭り晴れなども、酒造りに用いており、それぞれの特長を生かして酒を醸しています。

昔の帳場

甑 (こしき)

米を蒸すための木桶で、いわば大型の蒸籠(せいろ)です。米を洗い、水に浸し、水切りした米を甑で約1時間蒸します。酒香房の甑では200キログラム、内蔵の大きな甑[写真]は2トンの米を蒸すことができます。蒸し上がった米は、4分の1を約30度に冷まして麹づくりに、4分の3を5から10度に冷まして酒母やもろみの仕込みに用います。

昔の帳場

麹室 (こうじむろ)

麹は麹菌と呼ぶカビの一種を、蒸した米に生やし育てたものです。発酵の途上で、米のデンプンを糖に分解したり、タンパク質をアミノ酸に分解するための、酵素(こうそ)を作り出します。麹を造る部屋を「麹室」と呼び、室温は約30℃、湿度は50~60%に保たれています。 
蒸した米に種麹(麹菌の胞子)をふりかけ布に包み、床と呼ぶ台の上で、途中でかきまぜるなどの手入れを行い、およそ24時間置きます。続いて、麹蓋(こうじぶた)と呼ぶ小型の木箱に1升(2キログラム)ずつ盛って小分けし、部屋の左右の棚に麹蓋を積み重ねます。麹の状態を見ながら上下を入れ替え温度が均一になるよう調整したり、夜中でも2~3時間ごとに箱の中の麹をかきまぜたりしながら、麹菌の生育と酵素の生産を進めます。棚に移してからは約24時間、計約48時間で麹が出来上がります。

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発酵室

かつて仕込みに用いていた木桶の中に鋼鉄製の発酵タンクを置いています。桶の側面に小窓を設けており、ガラス越しに、発酵で生じた泡の状態や炭酸ガスの動きなどをご覧いただけます。この仕込み桶1本から、約1,000リットル、一升びんで約550本分の原酒ができます。
発酵の工程では、酒母(しゅぼ)、麹(こうじ)、水、蒸米を、それぞれ3日に分けて桶に仕込み、20~30日間かけてじっくり低温発酵させます。米のでんぷんは麹のつくり出す酵素の働きで糖に変えられ(糖化)、できた糖を酵母がアルコールに変えていきます(発酵)。糖化と発酵が同時に行なわれることから「並行複発酵」と呼ばれ、日本酒造りの特徴となっています。並行複発酵により、原酒で20パーセントほどの高いアルコール分をつくり出すと共に、酒らしい香味を醸し出します。

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槽 (ふね)

発酵を終え熟成したもろみを圧搾して、新酒と酒粕に分けるために用います。柿渋を施した木綿製の酒袋にもろみを入れ、槽の中に積み重ね、重石などで圧力をかけてしぼっていました。新酒には、ほんのりと濁りが残っていることがあります。静置して滓(おり)を沈殿させ、さらに濾したりすることによりクリアな酒にしていきます。写真は、かつて滓(おり)を集めて濾すのに使っていた槽(ふね)。

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大桶

昭和初期まで使用していた仕込み桶で、容量は5,000から6,000リットル(30石、1石=180リットル)です(上部の直径2.3メートル、高さ1.9メートル)。しぼられた新酒を受ける垂れ壺(たれつぼ)や、少量の酒を貯蔵するための貯蔵甕(ちょぞうかめ)、磁製の小型タンクなどと共に、酒香房・発酵室前の通路に置いています。

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酒造用具類

三棟が並んだ酒蔵のいちばん奥にあたる奥蔵の2階には、月桂冠大倉記念館に展示しきれなかった用具類(京都市有形民族文化財指定)を、酒造りの工程順に並べて保存しています。この奥蔵の1階部分には発酵タンクを配置しており、冬季の寒冷な気候を活かした寒造りを現在も行っています。

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