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樽酒

原酒、にごり酒、樽酒、貴醸酒、古酒(長期熟成酒)
個性的な風味を持つ酒

清酒を知る - さざまな酒のタイプ

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日本酒の多彩さをお楽しみいただくために、個性的な風味をも持つアイテムとして、原酒、にごり酒、樽酒、古酒(長期熟成酒)、貴醸酒など、製法の特徴を冠した商品に注目するのも良いでしょう。

「原酒」はモロミをしぼった後に水を加えない高アルコールで濃醇な酒、「にごり酒」はモロミの荒ごしにより製造する白く濁った酒、「樽酒」は杉樽に貯蔵した木の香りを楽しめる酒、「貴醸酒」は仕込み水に清酒を用いて醸造した濃厚で芳醇な酒です。「古酒」(長期熟成酒)は、長期間貯蔵し熟成させた酒のことです。

原酒

原酒は、モロミをしぼった後、水を加えない酒です(アルコール分1パーセント未満の範囲内で加水調整することは酒税法で認められています)。多くはアルコール分18から20パーセントほどの濃醇な酒です。モロミ発酵の段階において、汲み水として加える水の量を調整することで、アルコール分15パーセント以下という原酒を造ることも可能です。
一般的な日本酒は、原酒に水を加えてアルコール分を13から15パーセントほどに調整した商品が主流となっています。

にごり酒

モロミを網目(3ミリメートル四方の方眼)のふるいで荒ごししたもので、白く濁った酒。米由来の繊維質や酵母のタンパク質、発酵途上の分解物などが豊富に含まれています。
古代の酒は、ほとんどが濁酒(にごりざけ)だったと考えられてきました。しかし、奈良時代の書物には「浄酒」(すみさけ)、「糟」(かす)という言葉が見られることから、発酵の終ったもろみを布などで濾し、酒粕を分離した清酒も、すでに存在していたと推測されています。

樽酒

杉樽に詰めた樽酒は、日本的ムードのある商品です。酒を木製の樽に詰めて木の香りを付与します。鏡開きに用いられる酒は樽詰めして、稲わらで編んだ菰(こも)を巻き装飾した菰冠(こもかぶり)の形で出荷します。しかし、詰めてから日数が経ちすぎると樽の香味(木香)が付きすぎてくどくなります。そのために、賞味期間を限定したオーダーメイドにならざるを得ません。そこで、いったん杉樽に詰めた清酒を、完全殺菌してビンに詰めた商品も販売しています。ほどよい「木香」のついた酒を、いつでも手軽に楽しむことができます。

貴醸酒

貴醸酒は、仕込み水の全部あるいは一部に清酒を用いて醸造した濃厚で芳醇な酒です。濃厚で滋味豊かな酒質ゆえ、貯蔵中、熟成に関係する成分が豊かに醸し出されます。酒の色は琥珀(こはく)色になります。
貴醸酒のルーツとされるのは、平安時代の『延喜式』(えんぎしき、宮中での儀式や制度の規定書)に記された「御酒」(ごしゅ)と呼ばれる酒です。御酒は、いったん発酵の終了したモロミを濾してできた酒に、蒸米と米麹を入れて再び発酵させて濾すという作業を繰り返す「シオリ法」でつくられていました。
貴醸酒の醸造法は国税庁醸造試験所(現・醸造研究所)が開発し、1975(昭和50)年に特許が公開されました(現在は特許権の存続期間が終了しています)。

古酒(長期熟成酒)

古酒の定義

寒造りだけが行われていた頃は、しぼって火入れするまでの酒を「新酒」、火入れをして秋まで貯蔵したものを「古酒」と呼んでいました。年間を通して酒造りが行われるようになってからは、酒造年度(7月から翌年6月末)を基準に、その年度に造り、次の年度が始まる前までに出荷された酒を「新酒」、次の年度中に出荷されたものを「古酒」、さらに1年以上経過したものを「大古酒」と呼んでいます。一方、古酒を製造するメーカーの組織「長期熟成酒研究会」では、「満3年以上蔵元で熟成させた、増醸酒を除く清酒」を「長期熟成酒」と定義しています。

古酒の歴史と現状

鎌倉時代から江戸時代にかけて、長期間熟成させた清酒が珍重されたという記述が残されています。しかし明治時代、製造した酒に税金がかかる「造石税」により課税されたため、蔵元で長期間貯蔵しておくのは経済的にも負担となり、長期間熟成が必要な古酒は次第に廃れていきました。さらに第二次世界大戦中や戦後の食糧統制により、米の使用が制限されたため、製造に年数のかかる古酒は商品化されませんでした。さらに「老ねた」「しぶい」「苦い」など古酒の個性となる表現は、きき酒用語で欠点とされてきたことも一因です。1954年(昭和29年)、蔵元からの出荷時に酒税がかかる「蔵出税」へと変わり、再び古酒に取り組むメーカーが出てきました。

化学・物理的反応で複雑な香味

通常の酒よりもさらに熟成を進めた古酒の商品は、もとの酒からは想像できないような香味と色調へと変化しています。古酒の製造では、目的とする酒質に応じた酒をまず醸造し、火入れ前に使用する活性炭の量を控えめにし、熟成がほどよく進むよう、貯蔵温度も低すぎないようにします。 貯蔵中、酒中の成分は酸化・分解などさまざまな化学・物理反応をゆるやかに起こし、色調は年数を経るごとに淡黄色から褐色へと変化していき着色度を増します。新酒にはない複雑で多様な香味、例えばシェリー・老酒・バター・キャラメル・糖蜜・きのこ・シナモンのような重厚でほどよい苦みや、まろやかさが感じられるようになります。古酒独特の香味は、油や肉を使う濃厚ではっきりした味の料理に良く合い、食前酒・食後酒としても楽しむことができます。

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