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研究開発

100年の伝統、
100年前の開拓精神を
受け継ぐ研究者に。
常務取締役 製造副本部長 兼 総合研究所長
秦 洋二

「酒粕が黒くなる」悩みの研究が、花王で「白髪染め」に。

総合研究所では、どのような研究に取り組まれているのでしょうか?

月桂冠の事業領域の確保・拡大を図っていくために、酒類とそれ以外の新製品・新技術を開発するのが私たち総合研究所の役割です。現在は、好評を博している「糖質ゼロ」に続く大型新製品を開発すべく、日々取り組んでいます。健康志向を満たす製品はもちろん、若い年代層にも幅広く受け入れられる「楽しいお酒」も意識していきたいですね。

月桂冠では、アルコール以外の製品開発にも取り組まれているそうですね。

はい。アルコール以外の関連商品の開発にも取り組むのは、月桂冠の特長でもあります。最近では、花王との共同開発によって新しい白髪染めが生まれました。これまで日本酒事業では、酒粕が黒くなる「黒粕」現象に悩まされていましたが、約10年前にその原因酵素の遺伝子を発見。それを学会で発表したところ、花王の研究開発部門の方の目にとまり、共同開発がスタートしました。私たちはメラニンを減らす研究をしていましたが、花王はそのメラニンを使って白髪染めに活用したいと考えたようです。

また、現在では日本酒酵母や麹菌を用いた機能性食品の研究に取り組んでいます。麹菌が作る物質の中には、お酒を黄色く変色させてしまう成分があるのですが、これには貧血予防や食品の劣化防止の効果があり、機能性食品への利用が期待されているんです。酒造りには良くないと考えられていた成分でも、他の用途なら有用だったりする。そういうものをどんどん見つけて、日本酒以外の分野にも取り組んでいけたらと考えています。

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失敗こそ成功のもと。何年も粘り強く取り組む姿勢で。

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企業研究者には、どのような資質が求められますか?

まず「好奇心」だと思います。私たちの研究開発では、「やればできること」は研究テーマになりえません。いずれも不確定要素が多く誰も明らかにしたことがないものばかりなので、常に好奇心を持って研究開発に取り組むことが、成功への近道といえます。もうひとつは研究成果を実用化し、企業や社会に貢献するまでやり遂げる「使命感」です。失敗したときもくじけずに「成功のもと」と考え、その原因と向き合い、成功につながるよう冷静に考えぬかなければなりません。

研究開発を開花させるまでには、多大な努力を要するのでは?

先述の白髪染めの研究も、およそ10年の月日がかかりました。もちろん基盤研究ばかりでは閉塞感にさいなまれる状況に陥るので、ローテーションシステムで思考の切り替えを促進しています。ただ、未知の事象を発見するために粘り強く取り組む姿勢は、研究者にとって欠かせない資質だと思います。100年前の明治末期、「いち酒屋が研究所を持つ」なんて誰も想像しなかった時代に、当社は酒蔵の敷地内に大倉酒造研究所を開設しました。そうした当時の開拓精神とここまで受け継がれてきた酒造りの伝統は、これから入社される方にもぜひ受け継いでもらえればと考えています。

「酒を科学し、快を創る」にともに取り組める人へ。

今後の中長期的な目標を教えてください。

月桂冠のブランド価値をさらに高めるための技術開発を行いたいですね。日本酒市場は長期の縮小傾向から脱却して、やや上向き傾向にありますが、まだ同業他社との熾烈な競争のただ中にあります。私たちが挑戦していくべきなのは、競合製品とは明らかに異なる優位性を持った商品の開発です。二日酔いになりにくい・特長的な香りがある・鮮度が落ちにくい清酒など、いまだ存在しない商品のための技術開発に取り組んでいきます。もちろん、白髪染めの例のようにアルコール以外の分野にも醸造技術を活用していきたいと考えています。

日本酒が「國酒」に認定され、和食がユネスコ文化遺産に登録され、海外での日本酒の認知度は飛躍的に向上しています。私たちも日本酒づくりの根幹を担う研究所としての誇りを持ち、さまざまな技術を発信していきたいと考えています。

入社を考える学生の方へメッセージをお願いします。

大学で研究に取り組んでいると、論文発表がゴールのように感じられるかもしれませんが、企業研究ではそれを実用化しない限り成果とは呼べません。独りよがりにならずに、自分の行っている研究がどういう製品につながるかを常に念頭に置いておく必要があります。月桂冠のコーポレートブランドコンセプト「健を目指し、酒を科学し、快を創る」にもあるように、皆さんとともに「酒を科学し」、お客様に喜んでいただける「快を創る」に取り組んでいきたいと思います。

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常務取締役 製造副本部長 兼 総合研究所長 秦 洋二
好きなお酒:楽しい友と酌み交わすお酒

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