

「Japanese Sake」「Rice Wine」――今、海外で日本酒が熱い視線で受け入れられている。アメリカをはじめ韓国や中国、台湾などのアジア圏、ヨーロッパなどを中心に、日本食が世界に広がってきている。戦後、月桂冠が輸出を再開したのは1949年。輸出先の中心は、日系人が数多く暮らすアメリカ ハワイ州だった。その後、アメリカでの売上を順調に伸ばし、1989年にはアメリカ カリフォルニア州に現地法人・米国月桂冠(株)を設立。アメリカでの生産がスタートし、現在では米国月桂冠でつくられた商品をカナダやヨーロッパへ輸出するまでに拡大している。

「以前は、日本人が利用する日本食のお店での需要が、海外での日本酒消費の中心でした。しかし、今では日本食が世界各地に定着し、現地の人たちが日本酒を愛飲するようになっています。アルコール度数の強いお酒を飲む海外の国々にとって、日本酒は飲みやすくヘルシーな飲み物として認知されています。多様な料理ともマッチするので、そのテイストも受け入れられやすい。世界的に健康志向が高まってきていますので、日本酒のチャンスは、間違いなく今後も広がっていくと感じています」
2007年現在、輸出量は通関ベースで約1134万リットル。台湾、韓国、中国(香港を含む)、アメリカ、カナダへの輸出が全体の約75%と大部分を占める。なかでも韓国市場での近年の伸びは著しく、過去7年間で13倍超の約106万9020リットルを輸出するまでに成長している。日本酒が日本食と二人三脚で普及するものである以上、今後の可能性としては、海外進出を図る日本の外食チェーン店と連携しての市場開拓なども考えられる。貿易部では効率的、効果的なビジネスを展開するために、海外市場の情報収集と分析に努めている。中国には2007年9月に上海駐在所を開設。伸びる需要へ対応を進めている。

「潜在市場規模の大きい中国では、日本酒の8〜9割は飲食店で消費されており、日式と呼ばれる日本食をメニューに置く飲食店は、中国国内に5000〜6000店あると見ています。その業態も飲み放題や食べ放題スタイルの大衆的なものから、割烹や会席料理などをだす高級店舗まで様々。当社では飲食店のマーケティングを進めており、それぞれの業態にあった商品の開発や、販売方法を検討しています。現在は日本から輸出した商品を販売していますが、将来的には中国現地で生産できる体制を整えたいとも考えています。現地生産の可能性を探るのも、上海駐在所の仕事の一つです」
海外での輸出販売の“カギ”となるのは、現地販売代理店の育成である。貿易部では海外の代理店に対して、「日本酒とはどんなお酒か」という説明から入り、日本酒の飲み方や料理との相性を伝える活動をおこなうなど、密なフォローをおこなっている。また、代理店セールスの販売に同行することも多い。海外では日本酒に先入観がない分、誤った印象を持たれたら販売の支障にもなりかねないが、日本酒を知らない人へ新たな魅力を伝えることもできる。メーカーの営業でありながら、日本文化を広めていく仕事でもあるという。

「新規、既存の区別なく、海外営業では代理店に対するきめ細かなフォローが何より重要です。それが『GEKKEIKAN』ファンを数多くつくることにもつながります。当然、各国の代理店は競合メーカーの日本酒も扱っています。代理店へ日本酒の問い合わせがあった時、真っ先に月桂冠の商品を売ってもらえるように、私たちは代理店へ総合的なサービスを提供するよう心がけています。結局、海外営業でも国内と同じで、重要なのは、人と人との信頼関係です。世界で日本酒の需要が拡大しているといっても、待っているだけではチャンスは生まれてこない。海外ですので、高頻度で訪問することは難しいですが、現地の代理店と信頼関係をつくることでチャンスが生まれます」
貿易部では、5年後に現在の約2倍の売上目標を掲げている。中国での現地工場の設立構想だけでなく、ヨーロッパでの生産拠点構築も将来的に目論んでいる。経済、政治、文化、スポーツなどあらゆる分野でのグローバリゼーションが進む中、日本酒のポテンシャルはかつてない高まりを見せている。ANIME(アニメ)、KIMONO(着物)、SUSHI(寿司)…。日本発の文化がどんどん海外に受け入れられている今、予想もしなかった国や地域で「GEKKEIKAN」のラベルを貼ったお酒が、人々に飲まれる将来がくることは十分考えられる。

「日本酒の海外市場開拓はまだまだ始まったばかり。これからです。海外で売るということは、その国や地域の文化に触れ、理解することにもなります。そうでないとビジネスは成り立ちません。その国に行って初めてわかることもいっぱいあります。意外だったのがベトナム料理です。ニョクマム(魚醤)などの調味料を使うさっぱりした味のこの国の料理に、日本酒がよく合うんです。ベトナムも今後、有望な市場ですし、もちろんヨーロッパや、ロシアなどもおもしろい。
当社の海外営業は、日本酒の潜在的なニ−ズが大きいので、やったらやった分だけ返ってくる仕事ですし、日本の文化を世界へ広めていく仕事。数カ国を1人で担当するので、商売も自分自身で大きな“絵”を描ける。やりがいは十分あります。『GEKKEIKAN』を世界中で認知されるブランドにするために、一緒に働いてみませんか?」

貿易部
「海外市場は、やればやるだけ成果があがるのがおもしろい。日本酒はまだまだこれから世界で伸びていく」。日本酒という日本文化を代表する商品を、世界に広めたいという熱い思いで仕事に取り組む。
1976年入社。
