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月桂冠の新酒もろみから分離「きょうかい2号」酵母、頒布開始100年
伏見酒らしさを生んだ理由を探索

2017年10月5日

「きょうかい2号」酵母

「きょうかい2号」酵母
光学顕微鏡写真(酵母の大きさ=約0.005ミリメートル)

月桂冠総合研究所は、「清酒酵母きょうかい2号の遺伝的特徴~頒布100周年を迎えて~」と題して、100年前から酒造りに用いられていた酵母の特徴を、現代の遺伝子解析技術により解明した研究成果について「平成29年度 日本醸造学会大会」で10月11日発表します。1912(明治45)年に月桂冠の新酒もろみから分離された「きょうかい2号」酵母の遺伝的に際立った特徴を、現在、酒造りによく用いられている酵母との比較により示した研究成果です。

「きょうかい酵母」とは、全国の銘醸蔵の酒もろみから分離し純粋培養した酵母で、1906(明治39)年頃から、日本醸造協会が酒造家に頒布されています。月桂冠の新酒もろみから分離された「きょうかい2号」酵母は、1917(大正6)年から1939(昭和14)年まで頒布されていました。当時の『日本醸造協会雑誌』には、「林檎のやうな芳香を放ち」「酸の生成量及びアミノ酸の生成量は極めて少ない」(江田鎌治郎「酒質改善上優良酵母菌の利用」 第20巻 第11号、1925年)と記されており、「きょうかい2号」酵母により香りが良好で、雑味の少ない良酒を醸していたことが伺えます。

今回の研究では、きょうかい酵母間での近縁の度合いを、遺伝子解析(全ゲノムシーケンス解析)により調べました。現在、酒造りに多く用いられている「きょうかい7号」「きょうかい9号」の各酵母と比較した結果、「きょうかい2号」と「きょうかい7号」との間では遺伝子に83,127箇所もの異なる部分を確認しました。近縁とされる「きょうかい7号」と「きょうかい9号」との間の3,636箇所に比べ極端に多くの異なる部分が認められ、共に清酒酵母として分類される間柄でありながら遠縁であることが明らかになりました。このような遺伝子の違いは、その酵母がつくるさまざまな成分の生成量に影響することから、「きょうかい2号」酵母は、業界でよく用いられている「きょうかい7号」や「きょうかい9号」酵母とは異なる個性的な味わいを産み出すことが期待できます。清酒の醸造試験によっても、「きょうかい2号」酵母で仕込んだもろみは、他のきょうかい酵母との比較で発酵の立ち上がりが速く、その後の発酵の進み具合は穏やかで、伏見の酒に特徴的な、はんなりとした甘口に仕上がることを確認しました。現在、「きょうかい2号」に特有な遺伝子部分に注目して詳細な解析を行っており、今後、香味への影響などを明らかにして、清酒の味わいの創出を目指していきます。

【学会での発表】
学会名: 平成29年度 日本醸造学会大会
発表日時: 2017年10月11日 14:30-14:45
会場: 北とぴあ つつじホール(東京都北区王子1-11-1)
演題: 清酒酵母きょうかい2号の遺伝的特徴 ~頒布100周年を迎えて~
研究・発表者: ○森本(榊原)舞子、堀田夏紀、根来宏明、小高敦史、松村憲吾、秦洋二(○印は演者)
【月桂冠総合研究所について】

1909(明治42)年、11代目の当主・大倉恒吉が、酒造りに科学技術を導入する必要性から設立した「大倉酒造研究所」が前身。1990(平成2)年、名称を「月桂冠総合研究所」とし、現在では、酒造り全般にわたる基礎研究を行うと共に、バイオテクノロジーによる新規技術の開発、製品開発まで幅広い研究に取り組んでいます。所長=秦 洋二、所在地=〒612-8385 京都市伏見区下鳥羽小柳町101番地。

※月桂冠ニュースに掲載している情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは、異なる場合があります。

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