「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」は特定名称と呼ばれ、原料・製造方法のちがいを示すものです。これらを商品に表示をするための製法の条件(使用原料、精米歩合、こうじ米の使用割合、香味等の要件)が、「清酒の製法品質表示基準」として定められています。
特定名称は、ランク付けや酒の優劣を決めるものではありません。清酒では酒造技術が酒質に与える影響が大きく、きき酒や成分分析など総合的な評価により判断することが重要です。
特定名称酒の造り別出荷量の割合(2003年、全国)は、吟醸酒6%、純米酒6%、本醸造酒13%で、あわせて約25%です。一般酒(普通酒)が清酒全体の75%を占めます。
清酒の製法品質表示基準
| 特定名称
| 水以外の使用原料
| 精米歩合
| こうじ米使用歩合
| その他の要件
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| 吟醸酒 |
米、米こうじ 醸造アルコール |
60%以下 |
15%以上 |
吟醸造りをしたもので、固有の香味及び色沢が良好なもの。 |
| 純米酒 |
米、米こうじ |
− |
15%以上 |
香味及び色沢が良好なもの。 |
| 本醸造酒 |
米、米こうじ 醸造アルコール |
70%以下 |
15%以上 |
香味及び色沢が良好なもの。 |
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なお、上記の要件以外に、特定名称酒に共通して適用される条件として、次の2つがあります。
(1)農産物検査法により、3等以上に格付けされた玄米、またはこれに相当する玄米を精米して使用する。
(2)醸造アルコールについては、アルコール分95度換算で、白米重量の10%を超えないものに限る。
※こうじ米は、白米にこうじに菌を繁殖させたもので、白米のデンプンを分解し糖分に変える働きをするものです。
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※同表示基準は、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律に基づき1989年11月に定められ、1990年4月から適用されました。2003年10月、特定名称酒の要件に「こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合)15%以上」を追加する、純米酒の製法品質要件から「精米歩合70%以下」(玄米の表層を30%以上削り取る)を削除する、特定名称酒すべてに精米歩合を1%きざみで表記する、など基準の一部が改正され、2004年1月から適用されています。
次の5つについては、一定の要件下に表示が認められています。
| 特定名称
| 水以外の使用原料
| 精米歩合
| こうじ米使用歩合
| その他の要件
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| 大吟醸酒 |
米、米こうじ 醸造アルコール |
50%以下 |
15%以上 |
吟醸造りをしたもので、固有の香味及び色沢が良好なもの。 |
| 純米吟醸酒 |
米、米こうじ |
60%以下 |
15%以上 |
吟醸造りをしたもので、固有の香味及び色沢が良好なもの。 |
| 純米大吟醸酒 |
米、米こうじ |
50%以下 |
15%以上 |
吟醸造りをしたもので、固有の香味及び色沢が良好なもの。 |
| 特別純米酒 |
米、米こうじ |
60%以下または特別な製造方法(要説明表示) |
15%以上 |
香味及び色沢が良好なもの。 |
| 特別本醸造酒 |
米、米こうじ 醸造アルコール |
60%以下または特別な製造方法(要説明表示) |
15%以上 |
香味及び色沢が良好なもの。 |
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以上、「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」「大吟醸酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「特別純米酒」「特別本醸造酒」の8種類以外の表示は認められていません(たとえば「純米特別大吟醸酒」や「本醸造特別酒」など) 。
また、特定名称の酒以外の清酒の容器・包装に特定名称の表示をしたり、特定名称に類似する用語を表示することはできません。ただし、類似する用語でも特定名称の酒に該当しないことが明確にわかる説明(8ポイント以上の大きさの活字で、類似用語に近接する場所に表示)がされている場合は表示が可能です。
特定名称酒における精米歩合は、原材料名と近接する場所に、1%きざみで表示することが必要です。
(参考文献)
国税庁『「清酒の製法品質表示基準」の概要』(2003年10月)
(関連記事)
吟醸酒、「吟醸」のあゆみ
純米酒
本醸造酒
精米歩合
醸造アルコール