清酒の副原料として用いる「醸造アルコール」は、含糖物質やデンプン質を原料に醸造し蒸留されたアルコールです。
もろみに適量の醸造アルコールを添加すると、香りが高く、スッキリした味となります。さらにアルコールの添加によって、清酒を腐敗させる火落菌(乳酸菌の一種)の増殖を防止するという効果もあります。吟醸酒や本醸造で使用する醸造アルコールの量は、白米の総重量の10%以下に制限されています。
清酒に使用できる醸造アルコールの原料は、糖質原料とデンプン質原料に分類されます。
糖質原料には、さとうきびから砂糖を製造する工程で出る廃糖蜜のほか、精製糖蜜、甜菜(てんさい)糖蜜などがあります。デンプン質原料には、米、甘藷(かんしょ)、とうもろこしなどがあり、麹または酵素剤を使って糖化します。麦芽やワイン由来のアルコールは清酒には使えません。
糖化した原料はアルコール発酵され、連続式蒸留機で蒸留します。蒸留を何度も繰り返し不純物を除くので限りなく純粋に近く、米・糖蜜など原料の種類に関わらず成分・香味の点で差がありません。
ちなみに、連続式蒸留しょうちゅうは、醸造アルコールと同様、連続式蒸留機で何度も蒸留を繰り返して製造されたものです。無色透明で香りやクセのない、すっきりした味わいのアルコールが精留され、ストレート、水割り、お湯割り、氷を入れるなどして飲まれたり、チュウーハイやサワーなどのベースとして使われています。また、アルコール分35%、25%、20%などのホワイトリカーとして販売され、梅酒など果実酒の漬け込みなどに広く使われています。
化学合成により作られた工業用アルコールは、酒類の原料としては使えません。醸造アルコールと工業用アルコールは、炭素の放射性からはっきり区別することができます。
(参考文献)
・秋山裕一『日本醸造協会誌』86巻(6号)、P424(1991)
・野白喜久雄ほか編 『醸造の事典』(1988)朝倉書店
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