合成清酒(ごうせいせいしゅ)とは
合成清酒は、アルコールまたは焼酎に、「香味液」と称する清酒や、糖類、有機酸類、アミノ酸類などの調味料、食塩、グリセリン、色素などさまざまな物を混合して製造した酒です。
酒税法では「清酒に類似するもの」と規定されており、清酒とは異なります。添加できる原料は、天然物に由来する物質と食品添加物として認められている物質に限られます。
清酒のもろみや酒粕、大豆蛋白質を分解して発酵させた液(KCP)など醸造物を混ぜて仕込んだり、砕米、白糠などを混合して、発酵させたりすることも行われています。
合成清酒の歴史「混成酒と代用清酒」
明治24年(1891)、日本ではまだ造られていなかったアルコールが西欧から輸入されるようになり、このアルコールを調味料とともに清酒に添加した「混成酒」が造られていました。その後、明治末期から大正にかけて、国内で甘藷や馬鈴薯など米以外の安価な原料を使ってアルコールの生産が開始され、これを混ぜた「代用清酒」や「改良清酒」も製造されましたが、酒税が高く、アルコールの輸入関税も引き上げられたため、長続きはしませんでした。
合成清酒の歴史「理研酒」
大正8年(1919)、ビタミンの研究で世界的に著名な故・鈴木梅太郎博士が、理化学研究所(以下理研)で、米を使わずに清酒に似た「合成酒」を造る研究に着手しました。
ブドウ糖の溶液にアラニンというアミノ酸を加え、酵母で発酵させると清酒のような芳香がすることを発見し、これにアルコール、調味料などを加え、清酒に似た飲料を完成させ、大正11年(1922)、この方法に特許がとられました。
その後、清酒中の成分を詳しく調べ、それらの成分を配合して、香り、味、色が清酒に似たものを造り出すという研究方針に変更され、これが現在の合成清酒の原型となりました。この合成酒は、理研が開発したというので「理研酒」と呼ばれ、大正12年(1923)には工場規模で製造されるようになりました。
まぎらわしい表示
合成清酒は、清酒と見間違うようなまぎらわしいデザインや表示、「銘酒」という清酒固有の表現が使われることも多いようです。日本酒造組合中央会は「合成清酒」ではなく「合成酒」と消費者にわかりやすい表示にするよう要望しています。
一見して清酒との区別はつきにくい