酒の飲み方・使い方

酒の取り扱い方

日本酒の保存方法・賞味期間

日本酒は、温度や光(紫外線)の影響を受けると、色や香味が変化します。光の当たらない涼しいところ(20度前後)で保管してください。風通しの悪い場所や、冷蔵庫の横、流し台の下など温度が高くなりそうな場所は避けてください。特に、吟醸酒など繊細な香味を楽しむ酒や、フレッシュな風味が特徴の生酒・生貯蔵酒などは冷蔵保管をおすすめします。また、びんか紙パックかにかかわらず、開栓後の商品は確実にキャップを閉め、こぼれないように容器を立てて保管してください。
保管状態により、美味しくお召し上がりいただける期間は長くも短くもなります。温度が高いところや直射日光の当たるところで保管された場合は品質劣化が速く、賞味期間は短くなってしまいます。酒の種類や含まれる成分の多い少ないによっても品質変化の速度が左右されます。

さらに詳しく

●日本酒の賞味期間

日本酒は、醸造後半年から一年間貯蔵・熟成させ、ちょうど飲み頃の時期を迎えてから、びんに詰めて出荷します。繊細で香りの高い吟醸酒、しぼりたてのフレッシュな風味の生酒など、それぞれの酒の持ち味を楽しんでいただくために、月桂冠の商品については目安として以下の期間をお奨めしています。

  • 本醸造酒・普通酒・・・製造年月から約1年間
  • 吟醸酒・純米酒・生貯蔵酒・・・製造年月から約10ヶ月間(冷蔵保管をおすすめします)
  • 生酒(常温流通可能な商品)・・・製造年月から約6ヶ月間(冷蔵保管をおすすめします)

これらの賞味期間は、未開栓で、光が当たらず、涼しいところ(20度前後)で保管した場合の、製造年月から数えた月数です。日本酒は「製造年月」の表示が義務付けられており、商品の正面または背面のラベル、キャップ、パックの場合は頭部に掲載しています。賞味期間を過ぎた日本酒は、熟成が進行して、着色したり香りや味が変化している場合がありますが、すぐに飲めなくなるわけではなく、未開栓なら衛生面での問題はありません。日本酒を、10年・15年と貯蔵した長期熟成酒を商品化している蔵元もあり、熟成によって生じた色や香味もひとつの個性として楽しまれています。

●商品開栓後の賞味期間

冷暗所に保管し、容器の口やキャップが清潔に保たれていれば、開栓後でも数週間、数ヶ月を経てもお召し上がりいただくことは可能です。しかし開栓後はなるべく早くお召し上がりください。

●酒は腐らない?

日本酒はアルコール分を十数パーセント含んでおり、その殺菌力で細菌などは殆ど増殖できず、すぐに腐ったりすることはありません。但し、火落菌(ひおちきん)と呼ぶ乳酸菌は、アルコール分15パーセント以上でも生育します。火落菌は、酒燗器の洗浄が十分でない場合や、酒を別の容器に移し替えた際などに混入する可能性があります。火落菌が増殖すると酒は白濁し、香味が変化します(火落ち現象)。これらの変化による体への影響はありませんが、白濁や香りがおかしくなるなどの変化が見られた場合には、飲用をひかえてください。
かつて発酵や貯蔵に木桶を使っていた時代は、洗浄・殺菌が不十分な場合に火落ちが発生していました。現在では、醸造・貯蔵・容器詰の各工程にわたり適切な管理方法が確立されているため、火落ちの発生する確率はひじょうに小さくなっています。
商品の取り扱いにおいても、冒頭に記した保存方法に従って衛生的に取り扱えば、比較的長い期間の保管も可能です。

●光と温度に注意(お酒の取り扱い方)

日本酒は、数時間日光にさらすだけで急激に着色し、「びん香」と呼ばれる劣化臭が発生します。直射日光だけでなく、室内の散乱光や人工照明でも悪影響を受けます。これは紫外線の影響により、酒中のビタミンをはじめとする微量成分や有機酸の分解などの変化が生じるためです。特に透明のびんに入った商品には注意が必要です。透明びんに比べ、褐色やエメラルドグリーン色のびんの方が紫外線を通しにくいので、「びん香」が発生しにくいことが確認されています。ただし、同じ色付きのびんでも、紫外線を通す材質もあるので注意が必要です。 さらに、30度ほどの高い温度に幾日も晒された場合でも、劣化の進行は速くなります。

ガラスびんの透過率曲線
▲ガラスびんの透過率曲線

酒の劣化を防止するには、(1)紫外線カットが施された容器を用いる、(2)日光・蛍光灯などの紫外線が当たらず、温度の低い場所(20度以下)で、酸素との接触を少なくして、静かに酒を保管することなどが肝心です。
ガラスびんの透過率(光を通す割合を表す)をみると、褐色びんやエメラルドグリーンびんは、紫外線(波長400ナノメーター以下の光)を通しにくいといえます。
日本酒のびん詰が普及し始めた大正の終わり頃(1920年代後半)、醸造試験所の江田鎌治郎技師や月桂冠の森川一二技師(元常務)が、「着色、びん香の防止には、褐色びんが最良」と指摘、月桂冠では1928年(昭和3年)、いち早く褐色びんを採用し、品質の保持に努めました。

(2012年3月22日掲載)

ページのトップへ