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飲酒の心得

酔いのしくみ

酔いのメカニズム-血中アルコール濃度と酩酊度-

酒を飲むと、アルコールは胃や腸で吸収されて血管へまわります。血液中のアルコール濃度が高くなるにつれて酔いが回ってきます。アルコールは、人間の意識や精神活動など理性をつかさどる大脳皮質(脳の表層に所在)に麻酔作用をおよぼし、コントロールを変調させていきます。それに従い、平常時には大脳皮質の働きに抑制されていた大脳辺縁系という、人間の本能や情緒活動など感情をつかさどる部分の働きが活発になります。こうして酔いが進むにつれ、思考力・判断力が鈍くなり、感情はあらわになっていきます。酔うと泣いたり、怒ったり、笑ったりするのはこのためです。

さらに詳しく

●酔いと麻酔作用

酔いはアルコールの麻酔作用によるものです。麻酔作用の段階は、第一期(痛覚低下期)・第二期(興奮期)・第三期(外科麻酔期)・第四期(延髄麻酔期)の4期に分かれます。手術に用いられる「麻酔」は第一期、第二期が短く、第三期の時間が長いのに対して、「アルコール」は第一期から第二期の時間が非常に長く、第三期が短いという麻酔作用を示します。つまり、初期(第一期、第二期)の軽い麻酔で精神的な抑制が解かれることによって、興奮状態が表面化することがアルコールによる酔いの正体です。

●血中アルコール濃度と酩酊度

アルコールは、麻酔作用により脳を麻痺させることで酔った状態をつくり出します。酔いの程度は脳内のアルコール濃度によって決まります。しかし、実際に脳内のアルコール濃度を測ることはできないため、脳内のアルコール濃度と平衡関係にある「血中アルコール濃度」が、酩酊度を知る最も有力な指標であるとされています。「呼気中のアルコール濃度」は「血中アルコール濃度」とほぼ平衡しているので、飲酒運転の判定などに利用されています。

次の表は、血中アルコール濃度と酩酊度との関係を示したものです。

血中
アルコール濃度
区分 臨床症状 酒量
0.02~0.04% 爽快期 気分さわやか。
活発な態度をとる。
日本酒(~1合)
ビール(大瓶~1本)
ウイスキー(シングル~2杯)
0.05~0.10% ほろ酔い初期 ほろ酔い気分。脈拍数、呼吸数早くなる。
話はなめらかになり、抑制が外れる。
日本酒(1~1.5合)
ビール(大瓶1~2本)
ウイスキー(シングル2~5杯)
0.11~0.15% ほろ酔い極期 気が大きくなり、自己抑制が外れる。
立てば少しふらつく。
日本酒(2~3合)
ビール(大瓶2~3本)
ウイスキー(シングル6~8杯)
0.16~0.30% 酩酊極期 運動障害が出現する。まともに歩けない。(千鳥足)
呼吸促拍、嘔気、嘔吐
日本酒(4~5合)
ビール(大瓶5~7本)
ウイスキー(シングル8~10杯)
0.31~0.40% 泥酔期 歩行困難。転倒すると起きあがれない。
意識混濁、言語支離滅裂。
日本酒(7~8合)
ビール(大瓶8~10本)
ウイスキー(ボトル1本)
0.41~0.50% 昏睡期 昏睡状態。屎尿失禁。呼吸麻痺をきたし、死亡する危険大 日本酒(1升以上)
ビール(大瓶10本以上)
ウイスキー(ボトル1本以上)

(2012年3月22日掲載)

【参考・引用文献】

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