月桂冠総合研究所
酒粕で作った甘酒に
血中コレステロールを低下させる成分の含有を確認

2019年10月10日

月桂冠株式会社(社長・大倉治彦、本社・京都市伏見区)の総合研究所は、酒粕で作った甘酒中に、血中コレステロールの低下に寄与する成分が含まれていることを確認しました。酒粕で作った甘酒の飲用により、コレステロールの低下につながる有効成分の摂取に期待が持てる成果となりました。

酒粕やにごり酒には、レジスタントプロテインと呼ばれる米由来の難消化性かつ不溶性のタンパク質や食物繊維が含まれています。月桂冠では、これらの成分が血中のコレステロール濃度を低下させる機能を持つことを、これまでに確認しました。肝細胞ではコレステロールを原料として胆汁酸が生成され、胆汁酸は腸管で脂質の固まりを分散させやすくして消化・吸収を助けます。この胆汁酸が難消化性タンパク質や食物繊維に吸着し、体外へ排出されることにより、さらに新たな胆汁酸の生成が促進され、コレステロールが消費されます。

今回の研究では、にごり酒だけでなく、酒粕で作った甘酒の固形分中のレジスタントプロテインと食物繊維が胆汁酸の吸着に寄与していることを確認しました。今回の結果から、酒粕で作った甘酒の飲用が酒粕中の有効成分を手軽に摂取する方法として活用できる可能性が示唆されました。

この研究成果は、「にごり酒・甘酒の胆汁酸吸着能」と題して、「令和元年度日本醸造学会大会」(主催:日本醸造学会)で、10月17日に発表します。

●学会での発表
学会名:令和元年度日本醸造学会大会(主催:日本醸造学会)
発表日時:2019年10月17日 14:30~14:45
会場:北とぴあ(東京都北区王子1-11-1)
演題:にごり酒・甘酒の胆汁酸吸着能
発表者:○小高 敦史、森本 舞子、鈴木 佐知子、松村 憲吾、秦 洋二、石田 博樹(○は演者)

●月桂冠総合研究所
1909(明治42)年、11代目の当主・大倉恒吉が、酒造りに科学技術を導入する必要性から設立した「大倉酒造研究所」が前身。1990(平成2)年、名称を「月桂冠総合研究所」とし、現在では、酒造り全般の基礎研究、バイオテクノロジーによる新規技術の開発、製品開発まで、幅広い研究に取り組んでいます (所長=石田 博樹、所在地=〒612-8385 京都市伏見区下鳥羽小柳町101番地)。

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