明和産業株式会社と月桂冠株式会社が共同研究
日本の伝統技術「清酒酵母」を活用した純国産コーヒーの製造へ
―収穫後の発酵工程に応用、独自の香味を創出―
2026年03月26日
明和産業株式会社(社長・吉田毅、本社・東京都千代田区)と、月桂冠株式会社(社長・大倉治彦、本社・京都市伏見区)総合研究所は、日本酒の醸造に用いられる「清酒酵母」をコーヒー豆の精製工程(発酵工程)に応用し、独自の風味を持つ純国産コーヒーを製造する共同研究を行いました。
背景:コーヒーの「2050年問題」と日本発の技術
現在、気候変動により2050年までにコーヒーの主要産地が激減すると予測されるなか、国内での安定供給体制の確立と新産業の創出が急務となっています。コーヒー豆は収穫後、果肉や周囲の粘質層を取り除いて精製されますが、ウォッシュド(水洗式)などの一部の製法では、その過程で微生物による「発酵」が利用されます。本研究では、この重要な工程に日本の伝統的な発酵技術を融合させることで、これまでにない香味や風味を付与した、高付加価値な純国産コーヒーの創出を目指しました。
研究の内容と結果:清酒酵母による新たな香味の形成
研究では、月桂冠が保有する多彩な清酒酵母(蔵付き酵母等)の中から、コーヒー豆の精製に適した株の選抜を行いました。コーヒーチェリーの果肉除去後、清酒酵母と酵素を併用して発酵試験を実施し、その後の焙煎豆を用いた官能評価(味や香りの審査)を行いました。その結果、清酒酵母を用いて発酵させたコーヒーは良好な香味酸味が有り、甘み・フルーティーな香りを形成しており、清酒酵母がコーヒーの付加価値向上に大きく寄与する新たな可能性を見出しました。
コーヒーの収穫から焙煎まで
学会での発表
今回の研究成果は、日本農芸化学会 2026年度大会(会期:2026年3月9日~12日)で発表しました。
学会名:2026年度日本農芸化学会大会
日時:2026年3月10日 13:48-14:00
会場:同志社大学 今出川キャンパス
演題:清酒酵母発酵技術を用いた純国産コーヒーの製造
発表者:〇戸所健彦1、小野寺達哉2、根來宏明1、堤浩子1、石田博樹1(1月桂冠(株)・総合研究所、2明和産業(株))
会社および研究機関概要
明和産業株式会社
1947(昭和22)年設立。化学品、樹脂、資源・金属、建材、電池材料、自動車部品など多彩な領域で事業を展開すると共に、近年は、気候変動への対応を見据えた新規事業の創出にも注力しています。その一環として、千葉県成田市において国産コーヒーの自社栽培に取り組むなど、国内外で社会価値・環境価値の高い事業を幅広く推進しています。(社長=吉田毅、所在地=〒100-8107 東京都千代田区丸の内三丁目1番1号)
月桂冠総合研究所
1909(明治42)年、11代目の当主・大倉恒吉が、酒造りに科学技術を導入する必要性から業界に先駆けて設立した「大倉酒造研究所」が前身。1990(平成2)年、名称を「月桂冠総合研究所」とし、現在では、酒造り全般の基礎研究、バイオテクノロジーによる新規技術の開発、製品開発まで、幅広い研究に取り組んでいます(所長=石田博樹、所在地=〒612-8385 京都市伏見区下鳥羽小柳町101番地)。
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