京の日本酒と和菓子

VOL.08「純米大吟醸生酒」と「しそ餅 梅」

「純米大吟醸生酒」と「しそ餅 梅」

祇園祭の準備も始まり一年で京都が最も熱くなる季節だ。そんな初夏のひととき、キリリと冷やして楽しむのにぴったりなのが月桂冠の「純米大吟醸生酒」。大吟醸酒のフルーティーな香りと生酒のフレッシュさを併せ持つ贅沢な日本酒で、今年2月に発売された。香りは華やかで飲みごたえは軽くさわやか。日ごろ日本酒を飲まない人にも馴染みやすい。
「華やかな香りを出し、味のバランスをとるために、自社酵母と協会酵母(全国新酒鑑評会で金賞受賞酒にも使用)の二種を用いました」と語るのは醸造部生産技術課主査の井岡勇児さん。麹には、蒸米表面から斑点状に麹菌を食い込ませた「突き破精(はぜ)麹」を用いて、すっきりとした軽快な味わいに仕上げる。原料処理を担当する醸造部二号原料発酵グループのチームリーダー鈴木邦弘さんは、「京都産『京の輝き』を50%まで磨いて造ります。とても良い米ですが、大変もろくて繊細。吸水作業は特に丁寧に、米の扱いに気を配ります」と語る。我が子を育てるように、低温でじっくりと醸して誕生したのが「純米大吟醸生酒」だ。

醸造部生産技術課長 阪本 充

造り手

(写真左から)

醸造部

井岡 勇児、鈴木 邦弘

このお酒に取り合わせたのが、嵯峨広沢の和菓子店「嵯峨嘉(さがよし)」の「しそ餅 梅」だ。こし餡を道明寺で包み、赤紫蘇の葉でくるんだ餅菓子。ひと口サイズで小さく可愛らしい。初夏の風物詩、漬け込んだ赤紫蘇の風味と酸味、そして塩味が、ほのかな甘みを加える。口中に赤紫蘇の香りが広がり、モチモチの道明寺とこし餡が口の中で一つになったところで「純米大吟醸生酒」を口に含む。紫蘇の香りと、さわやかな酒の香りがすっと鼻に抜け、馴染んでいく。飲んだあとの余韻がなんとも心地よく、もう一口、もう一口と酒がすすむ。

「しそ餅 梅」/嵯峨嘉(さがよし)

京都市右京区嵯峨広沢御所の内町35-15
TEL:075-872-5218

「しそ餅 梅」/嵯峨嘉(さがよし)

暑い日が続くと身体は塩分や酸味を欲するもの。「しそ餅 梅」を肴に、口当たりの良い「純米大吟醸生酒」で杯を重ね、爽快にこの夏を乗り切りたいものだ。

「純米大吟醸生酒」

純米大吟醸生酒

華やかな香り、ふくよかな味わいが特徴の純米大吟醸生酒。

[甘辛:中口 濃淡:やや淡麗

※この商品は販売を終了しました。

ハンケイ500m

(VOL.044)2018年7月10日発行

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