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月桂冠総合研究所

月桂冠総合研究所について

概要

所在地
  • 総合研究所
    〒612-8385 京都市伏見区下鳥羽小柳町101番地
  • 製品開発課
    〒612-8361 京都市伏見区片原町300番地
所長
秦 洋二
人数
26名(2018年2月現在)

沿革

月桂冠の研究所の創設は古く、1909(明治42)年にさかのぼります。11代目の当主・大倉恒吉は、それまで杜氏まかせだった酒造技術に科学的管理を導入する必要性を痛感。東京帝国大学と大阪高等工業学校卒の2人の技術者を採用し、大倉酒造研究所を設置しました。1982年、創業345年(会社設立55周年)を記念し、規模を拡大した現在の建物に移り、その後、1990年に名称を「月桂冠総合研究所」としました。
月桂冠総合研究所では、品質安定向上を目指した「品質第一主義」を掲げ、酒造り全般にわたる基礎研究を行うと共に、常に革新性・創造性をもって幅広い技術開発や商品開発に挑戦してきました。近年では、日本酒で初めての「糖質ゼロ」の開発にも成功しています。

映画「品質第一主義~月桂冠・大倉酒造研究所物語~」

研究所の変遷

研究所の変遷を見ると、清酒醸造の現場と研究とのつながりを重視して、主力の酒蔵構内に研究所を設置し、先端科学を醸造に応用するという研究体制を確立してきたことがわかります。

大正初期の北蔵

1909(明治42)年

品質安定と向上のため、北蔵の構内に「大倉酒造研究所」を創設。これが月桂冠の研究所の始まりとなる。

1913(大正2)年

研究のための蔵として機能していた大賞蔵にも新たに研究所を設けた。

昭和初期の昭和蔵分析室

1927(昭和2)年

日本初の冷房付き鉄筋コンクリート造りの「昭和蔵」が竣工。1929年、蔵に隣接して分析室兼事務所を設置した。各蔵のもろみ、製品は、ここで一括して分析を行うようになった。

1939(昭和14)年

大賞蔵にあった研究所の建物を昭和蔵へ移築し、社内の研究機関を一箇所にまとめた。このころ「麹の酵素に関する研究」論文などを学会誌に発表する一方、技術管理、品質管理の機能も果たすようになった。

1982(昭和57)年

日本初の四季醸造蔵「大手蔵」構内に研究所を新築。このころから、新規醸造方法の開発や、分子生物学を基礎とした新しい酵母の育種方法に着手した。

1990(平成2)年

「月桂冠総合研究所」と名称を改め、1987年に新築した昭和蔵の「検査開発センター」と両輪で、醸造微生物・醸造副産物などの研究から、新商品開発までの幅広いテーマに取り組む。

主な業績

(1)コップ付小瓶の開発

1910年コップ付小瓶を考案し(実用新案第21127号)、初めて駅売用として販売した。

(2)防腐剤(サリチル酸)無し日本酒の販売

1911年、日本酒の殺菌条件等の科学的解明をもとに、業界に先がけて「防腐剤無し瓶詰月桂冠」を開発し、大阪市立衛生研究所の「衛生無害防腐剤無し」の封緘をして販売した。

(3)褐色瓶詰日本酒の販売

日本酒の品質劣化を防ぐため、1928年に褐色瓶に詰めた日本酒を販売した。

(4)麹α-アミラーゼに関する研究

1935年から1947年にかけ、麹α-アミラーゼの研究を行うことにより、清酒醪における酵素の挙動を明らかにした。α-アミラーゼに関し、嚆矢の研究となった。

(5)白ボケの研究

日本酒の清澄度についての研究を行い、「白ボケ」の除去法や、予知法を開発した。

(6)四季醸造蔵の建設

「連続蒸米機」「立体二室型自動製麹機」「自動圧濾圧搾機」「連座式自動精米装置」など醸造工程を近代化することにより、1961年業界トップをきって四季醸造システムを完成させた。

(7)火落菌の検出法の開発

日本酒を腐造させたり火落ちさせる乳酸菌群を迅速に検出できる「NS」培地等を開発した。

(8)常温流通生酒の開発

未加熱の生酒を膜技術の応用により常温流通できるように開発した。

(9)日本酒の香気に関する酵素の研究

吟醸酒の香りの主成分について、酵素レベルで研究を行うと共に、それらの高生産する酵母を開発した。日本醸造協会はその特許の実施契約に基づきこの性質をもつ酵母を造成・販売を行っている。

(10)日本酒の酒質劣化成分に関する研究

日本酒を劣化させるエチルカルバメート(ECA)について、その測定法や除去法を国税庁醸造試験所等と共同で研究を行った。また、ECA生成の前駆体である尿素を分解する酸性ウレアーゼを武田薬品と共同で開発した。現在その酵素は国税庁指定物品として武田薬品の関連会社から販売されている。

(11)新しい清酒醸造法の開発

新しい原料処理法を開発することにより、最も従来の方法に忠実な醸造法を確立した。この方法により、目標品質の日本酒の醸造を容易なものとした。

(12)清酒酵母の胞子形成に関する研究

清酒酵母の胞子形成不全に関する要因を解明し、交配育種を容易にする手法を開発した。

(13)日本酒やその副産物に関する機能性の研究

日本酒や酒粕及びその副産物中に抗痴果症に関する生理活性物質が含まれていることを明らかにした。

(14)麹菌に関する基礎研究

麹造りで重要なグルコアミラーゼ遺伝子の同定と、その発現プロファイルから麹造りを再評価した。

(15)麹菌のゲノム解析と有用タンパク質の生産

麹菌ゲノム解析プロジェクトに参加し、得られた知見から麹菌で有用タンパク質の生産を検討した。

(16)酒粕分解物の機能性研究

酒粕をプロテアーゼで分解した酒粕ペプチドには、血圧上昇抑制物質などの効果があることを見出した。

(17)糖質ゼロ日本酒の開発

業界初となる「糖質ゼロ日本酒」の醸造法を確立し、2008年に日本酒で初めてとなる商品を発売した。

映画「品質第一主義~月桂冠・大倉酒造研究所物語~」

1907(明治40)年、大蔵省醸造試験所の技官・鹿又親(かのまた・ちかし)氏が月桂冠北蔵(京都市伏見区下板橋町)に派遣され、2カ月の間、醸造の実態調査を実施しました。調査の際、11代目の当主・大倉恒吉は鹿又氏と酒造技術の課題について熱心に議論し、さまざまな学理的知識に接することができました。それは幼少期から実地の作業の厳しさを体験し、技術改良の必要性を痛感していた恒吉にとり、醸造技術の近代化をめざす決定的動機となりました。恒吉は鹿又氏と親密に交流するようになり、直接間接に好意ある援助や忌憚のない助言を受けました。そのことが刺激となって研究所創設を着想しました。
研究所創設に向け1908年11月、北蔵構内の木造酒蔵に囲まれた中央に薄緑色のモダンな外観の洋館を上棟、同年12月に鹿又氏の紹介で、東京帝国大学卒業の農学士・濱崎秀(はまざき・ひで)を採用、翌1909年1月10日に「大倉酒造研究所」を開設しました。酒造りへの科学技術の導入を進め、「防腐剤なしのびん詰酒」開発などの成果により、酒の品質向上を成し遂げました。そのことが、「品質第一」を重んじて酒造りを続ける原点となりました。

タイトル:映画「品質第一主義~月桂冠・大倉酒造研究所物語~」(全篇13分)
企画:月桂冠株式会社、制作:グループ現代、制作年:2014年

「前半:品質向上篇」(再生時間:6分50秒)
11代目・大倉恒吉が、「品質第一主義」をかかげて日本酒メーカー初の研究所創設に至った経緯を紹介しています。

「後半:建物篇」(再生時間:6分30秒)
初代・大倉酒造研究所および北蔵の建築物としての価値について、さらに革新性・創造性に基づいた「品質第一主義」の伝統について紹介しています。

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