京の日本酒と和菓子

VOL.17「山田錦純米」と「柚子しずく」

「山田錦純米」と「柚子しずく」

晩秋となり、京都の楓も色づきを深めてきた。こんな季節の気軽な一献(いっこん)にぴったりな酒が月桂冠の「山田錦純米」だ。華やかな香りと、酒米の王様「山田錦」特有のふくらみのある味わい。スッキリしたあと味も特徴の辛口純米酒だ。さらに、この10月、よりキレやコクのある酒質に一新し、発売された。通好みの辛口の味わいは、食事を選ばず、何にでもよく合う。

「今回のリニューアルでは、酒米「山田錦」と相性のよい、自社開発のオリジナル酵母を使用し、さらにキレとコクのある酒質に生まれ変わりました」。そう語る醸造部の伊谷強さんは、酵母を育てる過程を担っている。これは、いわば仕込みの第一工程で、良い酒を醸す源になる作業だ。「今回の酵母は特に繊細なため、増殖にはじっくりと時間をかけました」。また、酵母が自身のつくるアルコールで弱らないように、気遣いながら大切に育てるという。伊谷さんが細心の注意をはらい育て上げる酵母は、リンゴ系の爽やかな香りを生み出す。この新鮮な味わいはキレとコクと相まって、人気の高さを誇っている。

造り手 醸造部 伊谷 強

造り手

醸造部
伊谷 強

さて、この「山田錦純米」と抜群に合う和菓子が、「柚子しずく」だ。清水寺参道の五条橋東にある局屋立春(つぼねやりっしゅん)の定番の人気菓子で、個包装のアルミ袋を開けると、しっとりした柚子が丸々一個現れる。蜜漬けした柚子皮の中には、柚子風味の羊羹を流し込んでいる。柚子の芳香と皮の苦み、ほんのりとした甘さが調和して、晩秋の果実を丸ごと堪能できる逸品だ。

「柚子しずく」/局屋立春

京都市東山区五条橋東6丁目583-75
TEL:075‐561‐7726

「柚子しずく」/局屋立春

この「柚子しずく」を一口かじり、「山田錦純米」を口に含む。すると、柚子特有の柑橘系の香りが、キレのある純米酒と重なり、ふわっと鼻に抜ける。途端に「柚子しずく」の酸味と苦みが酒に溶け、一体となって爽やかな甘みが口に広がる。酒のすっきり感は際立ち、柚子の苦みが心地よい余韻となって、もう一口、もう一杯とあとをひく。どちらもが相手を引き立て合う、何とも絶妙なマリアージュだ。

家飲みも多い日々、この秋は「柚子しずく」をお供に、この酒をスルスルと飲んでほろ酔い気分に浸りたい。

山田錦純米

山田錦純米

華やかな香りと、山田錦特有のふくらみのある味わい、すっきりとしたあと味が特徴の純米酒。
アルコール分:14度以上15度未満
1.8リットルパック:1,542円、900mLパック:791円、エコカップ210mL:216円(価格は参考小売価格、消費税別)

甘辛=辛口、濃淡=やや濃醇
月桂冠オンラインショップ
ハンケイ500m

(VOL.058)2020年11月10日発行

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