事業戦略テーマ、進捗と展望

月桂冠では、事業戦略テーマとして「1.清酒事業の深耕・拡大」「2.清酒以外のアルコール事業の強化・拡大」「3.海外事業の推進」「4.アルコールにとらわれない新規事業の開拓・展開」の4項目を掲げ、事業活動に取り組んでいます。

1. 清酒事業の深耕・拡大

近年では、酒類販売の規制緩和をきっかけに、街の酒販店だけでなく、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどさまざまな業態で酒類が販売されるようになりました。その中で、提案型営業にも対応する組織体制を構築、さらにマーケティングを駆使し、市場のニーズ・ウォンツに合った商品の開発と上市に努めています(2008年、業界で初めての「糖質ゼロ清酒」の商品化など)。技術開発力、マーケティング力、提案力を生かして、高級クラスから普及タイプの商品まで、品質が高く多彩な清酒を商品化し、安定的なシェアを保っています。 また関連商品として、本格的な清酒テイストのノンアルコール(アルコール分0.00%)飲料を商品化しました(2014年「月桂冠フリー」を発売、2015年「月桂冠NEWフリー」としてリニューアル<いずれも終売>。2019年には、大吟醸酒の香味をイメージした「スペシャルフリー」を発売)。

2. 清酒以外のアルコール事業の強化・拡大

清酒をベースにしたリキュール類を商品化(スパークリング・日本酒仕立ての「うたかた」シリーズなど)。ビール、ワインの輸入販売を継続しています。ドイツビールにおいては、現存する修道院醸造所としては最古のヴェルテンブルグ修道院醸造所の「ヴェルテンブルガー」を日本国内での独占契約により販売しています。

3. 海外事業の推進

清酒の世界各地での浸透を進めるにあたり、重要な要件となる品質の高さ、安定供給に、当社は強みを持っています。 海外現地法人としては、1989年に米国月桂冠株式会社(清酒など酒類の製造、販売・輸出)を設立、2011年に月桂冠(上海)商貿有限公司(中国国内における清酒販売)を設立しました。

米国月桂冠は、米国内だけでなく、カナダ、南米、欧州、アジアなどに向けても清酒を供給しており、その規模は年々拡大しています。米国では、米系の酒類卸業社を総販売店として、日系の和食店だけでなく、幅広い業態・地域に清酒を供給しています。米国月桂冠と日本(本社)からの輸出との両輪で清酒の供給、酒文化の普及・浸透を各地で進め、よりグローバルな経営を目指しています。

4. アルコールにとらわれない新規事業の開拓・展開

月桂冠グループの事業活動を充実させ、長期的、安定的な事業の発展に取り組んでいます。主力の清酒事業に続く第2の柱として、食品企業3社をグループに迎えました。(株)キンレイ、(株)藤清、(株)タカトーの3社。例えば(株)キンレイでは、冷凍麺などを商品化し、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで広く販売、特にコンビニエンスストアの業態では、オンリーワンとも言えるシェアを持ち、独自の商品開発力とブランド力に強みを持っています。