技術革新・酒文化継承への取り組み

月桂冠は、1909年(明治42年)1月10日に「大倉酒造研究所」を創設しました。その5年前に国の醸造試験所が設立されたばかりの時期でした。日本酒メーカーでは初めての研究所であり、企業の研究所としても珍しい存在でした。1911年(明治44年)、業界で初めてとなる防腐剤の入らないびん詰めの清酒を発売(業界での防腐剤全廃は1969年=昭和44年)するなど、研究所の活動により酒造技術の革新を次々と成し遂げていきました。その後も、醸造技術や醸造微生物、新規技術の開発に取り組み、それらの成果は日本酒業界全体のレベルアップを下支えするものとなっています。

また地元京都・伏見では、1982年(昭和57年)に、お酒の史料館「月桂冠大倉記念館」を開設、 明治期建造の酒蔵を活用し、いにしえの酒造用具類を保存しており、京都・伏見の酒造りの発展を牽引してきた月桂冠の挑戦と創造のスピリッツを感じる空間となっています。同館では1987年(昭和62年)に一般公開して以来、 300万人目のお客様を2018年4月12日に迎えました。永年培ってきた醸造技術と共に、歴史的風土を生かしながら、新たな日本酒文化の発信を続けています。