米国月桂冠

月桂冠の米国における現地法人・米国月桂冠(カリフォルニア州フォルサム市、1989年設立)では、米国をはじめ、カナダ、南米のブラジル、欧州、さらには韓国ほかのアジアも含め、清酒需要が高まっている世界の市場に向けて商品を供給し、月桂冠本社(日本)との両輪で清酒の普及を進めています。米国内へは、米系の総販売店を通じて、日本料理店だけでなく アジア系のレストラン、さらにはリカーショップやスーパーマーケットなどの小売店を通じた家庭用の市場まで、幅広い業態への清酒の販売を進めています。地域別では、東海岸、西海岸の都市部だけでなく、内陸部や南部へも清酒の販売が広がっています。

1989年の設立後、日本で培ってきた四季醸造システムやその後開発した新規技術を備えた酒蔵を完成させ、1990年10月から酒造りを、1991年5月に会社・製品を披露し、同6月から出荷を開始しました。当初(1992年~1994年頃)は、年間約900キロリットルを出荷、その後の清酒需要の高まりにより、1999年には1,800キロリットル、2003年には2,500 キロリットル、設立20周年の2009年には4,200 キロリットル、設立30周年の2018年には5,800キロリットル を生産・出荷するに至りました。 需要の増加にともない醸造設備の増強を段階的に進め、中長期には10,000キロリットルの生産体制を視野に入れ、対応していく予定です。

米国月桂冠の発酵タンク(左)と貯酒タンク(右)。1990年12月に米国月桂冠で第一号のもろみの酒搾りを行ったのを最初に、2007年に第1000号、2013年に第2000号、2018年には第3000号を達成しました。

米国月桂冠の発酵タンク(上)と貯酒タンク(下)。1990年12月に米国月桂冠で第一号のもろみの酒搾りを行ったのを最初に、2007年に第1000号、2013年に第2000号、2018年には第3000号を達成しました。

概要

商号 米国月桂冠株式会社
Gekkeikan Sake (USA), Inc.
住所 1136 SIBLEY STREET, FOLSOM, CALIFORNIA 95630 USA
電話 916-985-3111
FAX 916-985-2221
設立 1989年7月26日
敷地面積 36,300平方メートル(11,200坪)
社員 27名(2020年4月)
事業内容 清酒ほか酒類の製造、輸入販売
製造・販売数量 年間約5,800KL(2020年)

米国月桂冠の代表的な生産品目

FOLSOM(フォルサム市)

米国月桂冠が所在するフォルサム市はカリフォルニアの州都、サクラメント市から北東に約30キロに位置する人口約80,000人の町です。ゴールドラッシュ発祥の地として知られています。
ワインで有名なナパバレーやソノマバレーも近く、観光ルートとしても脚光をあびています。

自然と人に恵まれたフォルサム

フォルサム湖を源とするアメリカンリバーにかかる橋
カリフォルニア米の穀草地帯

シエラネバダ山脈の雪解け水が流れ込むフォルサムレイク。
京都 伏見に劣らない、酒造りに適した水が豊富に得られます。

サクラメントはカリフォルニア米の一大集散地です。
酒造りに適した良質な原料米が得られます。

醸造学研究では世界的に有名で、カリフォルニア米の育種などを行うコメの研究施設もあるUCデービス校に近く、人材も豊富です。州及び市政府をはじめ関係団体の熱心な誘致活動、市民の歓迎により企業市民として受け入れられました。 このように恵まれた環境の中、米と水で、醸し出された清酒月桂冠はアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、南米へと世界に販路を広げています。

米国酒事情

市場規模

アメリカ全土で年間約30,000キロリットル。日本レストランは全米で約23,000店、ほか数万店とも言われる中国レストランや韓国レストランでも清酒が飲まれています。 アメリカの清酒市場は、飲食店など業務用の販売割合が7割と大きいのが特徴です。近年では、小売市場での販売が拡大しており、お客様にはスーパーマーケットやリカーショップなどで清酒を目にしていただく機会も増えています。

酒税

連邦ではビール扱いですが、たとえばカリフォルニア州ではワイン扱いとなっています。税額も日本の酒税に比べればかなりの低額です。

販売経路

日本と同様にメーカー・卸・小売という3段階を経て消費者の手元に届きます。各州では、地元の有力卸業者が販売に取り組んでおり、それら卸売業者を通じて供給しています。
また、アメリカには 、酒類の販売が州政府の管理下に置かれた「コントロール・ステイト」と呼ばれる州があります。昔の禁酒法の名残りです。

アメリカ人にとって清酒とは

スシ・バーで飲むちょっとエキゾチックな飲み物という印象が強いようです。また、熱燗で飲むものという固定観念がありました。これは清酒輸出の初期に「温めて飲むユニークな酒」という売り込み方をしたためです。 清酒は、冷やしてもカクテルとしても気軽に楽しめます。
アメリカで、すっかり定着したカリフォルニアロールは、寿司をもとに受け入れやすい形にして考案され、今ではスーパーマーケットの店先でも売られるようになりました。清酒も、食生活の中に取り入れて楽しんでいただけるよう、理解を広めるための活動を行なっています。