これが私のミッション!

研究開発

皆が心地よくなる商品をつくる

総合研究所
製品開発課 柏原宏行

技術力の高さ、開発だけでなく研究に力を入れている点に魅かれ、入社を決意した。
2015年入社 総合研究所に配属。日本酒で培った技術や知識を、新しい分野に応用する研究グループで、麹菌の作る機能性物質、デフェリフェリクリシンの研究に従事した。2019年からは、技術開発グループで酒類の研究にも関わる。2020年4月に製品開発課へ異動。新商品の設計開発に携わっている。

所属部署紹介:総合研究所

総合研究所は、お酒や醸造、新規分野を研究する技術開発グループと、新商品に関連する開発を主に行う製品開発課、の2つからなります。
私の所属する製品開発課は、新商品の設計開発の中でも、特に新規性の高い案件に対応する部署です。味の設計から製造まで、さまざまなハードルを乗り越えて商品化に結び付けることがミッション。例えば味の設計では、出来立ての味わいを見るだけでなく、時間を経てもコンセプトに合致する味わいが残存しているかを確認します。お客様が口にされるものだからこそ、常に変わらない品質をお届けできるよう取り組んでいます。
研究所は他の部署と比べ若手が多く、年齢が近いので、新卒の方にとってもすぐになじめるのではないかと思います。皆、アイデアが豊富で、日々私も刺激を受けています。

今の業務で心掛けていること

俯瞰的にみる

新商品の開発案件をいくつか任せてもらっています。日本酒はもちろん、日本酒をベースにしたリキュールについても担当しており、製品開発に関わる全てのことを幅広く学び研究しています。製品開発は営業推進部マーケティング課からの発案で製品設計するケースや、製品開発課から今後製品になりうるものをテスト的に開発するケースなど色々なパターンがあります。各案件で開発フェーズが異なるので、それぞれの目的を見失わないように、頭の切り替えがとても大事です。
心がけていることは、独りよがりにならないこと。製造に関する基礎的な情報収集はできるものの、それぞれの製造プロセスについては詳しいプロフェッショナルに、ヒアリングをしながら最適な設計開発を進めていきます。製造現場だけでなく、マーケティング課とも何度も打ち合わせを行い、コンセプトに沿った技術を提供しなければなりません。多岐にわたる部署の方と連携しますので、コミュニケーションが大事だと改めて実感しています。

仕事のやりがい

苦労した商品がお客様の喜びに

私が携わった商品が実際に販売されたとき、仕事のやりがいを感じます。桃の香りのする日本酒「Momoka」という新商品に関わったことが印象に残っています。この「Momoka」は、研究所での試作品としての評価はとても高かったのですが、繊細なお酒でクオリティを維持するには製造面や販売面で非常に高いハードルがありました。何度も社内で折衝を重ね、通販とチルド配送という条件で何とか研究所が温めてきたシーズを販売に結びつけることができました。初めての取り組みであったため、売り上げが伴うかどうか不安はありましたが、蓋を開けてみれば5日で予定数量を完売!成功を収めることができました。多くの関係者と協力しながらチームで作った商品が、やっとのことで上市される喜びはひとしおです。このようにチャレンジした結果が、目に見えて実感できる、それが製品開発の面白さだと思います。

仕事での成功体験

新規分野への挑戦

新規分野研究グループに所属していた時、※デフェリフェリクリシン(Dfcy)の研究が印象に残っています。Dfcy研究には生産性の向上から機能性研究まで幅広く関わりました。麹菌の液体培養によりDfcyを高生産するために、1年間にわたる条件検討を重ね、収率を2倍以上までアップすることができました。また、Dfcyを高含有する麹を造り、日本酒の成分として使うことを試みました。結果的には、試験で造った日本酒が調理時の肉の臭みを抑える効果があることを明らかにし、それを学会でも発表できました。新規分野の研究では、研究シーズを如何にすれば製品へのより良い落とし込みができるかを学ぶ経験ができました。今の製品開発の仕事にこの経験が活きており、製品が出来上がるまでのコスト意識や製品設計までのアウトプットへの意識を持って業務に取り組んでいます。
※ デフェリフェリクリシン(Dfcy)…ペプチドの一種。酒造りに欠かせない麹(こうじ)菌から造られる。月桂冠は世界で初めて麹菌による大量生産技術を2012年に確立しています。当社の研究により、Dfcyには血清中の尿酸値を低減させる作用や、ビタミンCやEよりも優れた美白作用があることを明らかにしました。

これから挑戦したいこと

皆が楽しく食卓を囲うための商品を

酒に強い=酒が好き、酒に弱い=酒が嫌い、というわけではありません。実は私、酒には全然強くありません。ですが、お酒のことは大好きです。有名な杜氏さんなど日本酒関係者の中にもお酒に弱い方が、実は結構いらっしゃいます。酒に弱い自分だからこそ持っている感性もあると思います。だからこそアルコールに強い人も弱い人もみんなが楽しめる商品づくりを行いたいと思っています。
飲めても飲めなくても、お酒の席は楽しいもの。いつも心地よく過ごせるような商品を開発していきたいです。

1日の仕事の流れ

  • 08:30
    始業
    ミーティング、メールチェック
  • 09:00
    資料作成
    新商品用のコスト試算、データまとめ
  • 10:00
    テイスティング
    前日の試作サンプルの試飲
  • 12:00
    昼食
    弁当を食べる
  • 13:00
    打ち合わせ
    マーケティング課の担当者と新商品について打ち合わせ
  • 14:30
    商品チェック
    他社新商品の調査、新商品の中身をプランニング
  • 15:30
    試作
    新商品の試作
  • 17:00
    明日の準備
    予定チェック、情報収集
  • 17:20
    退社

オフの過ごし方

入社3年目に、前からやりたかったドラム演奏を始めました。社内にバンドサークルもあり、定期的に活動しています。練習後の飲み会も楽しいですよ。

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学生の皆様へメッセージ

微生物を学んでいなくても、仮説の設定、検証といった、研究のベースがしっかりしていれば問題ありません。月桂冠の研究開発職は、若手の時から裁量の大きい仕事を任せてもらえますし、もちろん先輩方がしっかりとサポートをしてくれます。安心してチャレンジできる環境がそろっていると思います。私たちと一緒により良い商品を作っていきましょう!

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