環境への取り組み環境負荷の低減

省エネルギー対策

月桂冠昭和蔵のコジェネレーション設備

従来の重油焚きボイラーを廃止し、ガス焚き貫流ボイラーを採用することで、エネルギーの転換を図りました(2002年)。続いてコジェネレーション(熱電併給)設備(2003年)を導入しました。コジェネレーション設備は、エネルギー源(天然ガス)を動力や電力に変換し、そこで生じたガスエンジン冷却水の排熱や、排ガスの熱を利用してボイラーを運転することにより、エネルギーを効率的に利用できるものです。これらを含めた総合的な省エネルギー対策により、二酸化炭素発生の削減に努めています。 また工場全体のエネルギーを効率的に利用するために、電力利用状況をリアルタイムに把握できる集中監視システムの整備を進めています。

空調のエネルギーコスト削減

高級酒を貯蔵する大手蔵貯酒庫の屋根と壁面に、外気や太陽光の影響を少なくする特殊コーティングを施し、貯酒庫内の空調エネルギーの効率を上げる対策を実施しました。

環境負荷の少ない船舶や鉄道の活用(モーダルシフト)推進

月桂冠では、環境への取り組みを進める中で、トラックなどの自動車による幹線貨物の輸送から、大量輸送が可能な船舶による海上輸送や鉄道輸送への転換(モーダルシフト)を積極的に推進し、環境負荷の低減(CO2排出量の抑制)や物流の適正化に取り組んでいます。

このうち、海上輸送の取り組みに対して、2020年2月25日、「海運モーダルシフト大賞」を受賞しました(物流事業者の日本通運株式会社と共同での受賞)。フェリー事業者やRORO船(貨物を積んだトラックごと輸送する船舶)、コンテナ船、自動車船事業者などで組織するエコシップ・モーダルシフト事業実行委員会が、モーダルシフトに貢献した事業者を、「エコシップマーク認定者」とする制度の中で、荷主の月桂冠と物流事業者の日本通運株式会社との取り組みが、令和元年度「優良事業者」として認定され「国土交通省海事局長表彰」を受けました。

2020年2月25日、東京都千代田区の海運クラブで行われた表彰式

「優良事業者」の中で、最も貢献度が高い事業者として両社に「海運モーダルシフト大賞」が授与されました。「海運モーダルシフト大賞」は2020年から新たに授与されるようになったもので、「国土交通省海事局長表彰」(エコシップマーク優良事業者)とも併せて、日本酒製造業者として初の受賞となりました。

具体的には、製造場のある京都から東北6県への製品輸送に船便を利用すると共に、在庫を持たない「スルー型」から、物流の中継倉庫(蔵置所)設置による「在庫型」へと切り替えるなどで、本格的なモーダルシフトへの体制を整え、安定的な輸送を可能にしました。これにより、京都から東北エリアへの輸送については、重量比で34.6%分を海上輸送へ転換しました。