月桂冠総合研究所
研究内容
お酒の研究

巨峰の果実感?!アッサンブラージュによる新感覚な日本酒の開発

図 果月 葡萄

開発の背景

甘酸っぱい味わいで、バナナやリンゴのような吟醸香の高い日本酒がトレンドとなっています。しかし、これら吟醸香以外の新たな香りについての研究開発・商品化は十分にはなされていません。そこで、「日本酒×果実」の可能性に着目し、これまでにない新しい香りを切り口とした新感覚の日本酒開発に取り組むこととしました。

ワインやウイスキーでは、異なる酒質を組み合せる手法(アッサンブラージュ)により、新しい味わいが生み出されています。そこで、このアッサンブラージュの手法を用いて「新しい」果実感のある香りの日本酒を開発することにしました。

検討

これまでの知見から、果実感を得るためには甘味や酸味だけでなく香りが重要であることがわかっていました。そこで、当社が研究開発を積み重ね、強みを発揮できる、香りが高い酒質を中心に組み合わせを検討しました。

結果

検討の結果、巨峰をイメージするような香り、コクと甘みを感じられる日本酒の組み合せがみつかりました。そこで、巨峰の香りの成分と比較したところ、各成分のバランスと近いことがわかりました。これまでは単一成分により果物を連想する酒質を開発してきましたが、これらの酒質を組み合わせ、香りのバランスを変化させることで別の果物を再現できる可能性が示されました。

図 香気成分の官能基別割合
図 香気成分の官能基別割合

研究員からのおすすめの飲み方

官能評価試験では、生ハムとの相性が良い結果となりました。また、サバのオリーブオイル漬けなどのシンプルな味付けの魚料理、ポテトチップスやチーズ味のスナック菓子とも相性がよいのでおすすめです。