麹菌がつくるデフェリフェリクリシンのはなし

2024年にユネスコの無形文化遺産に登録された日本の「伝統的酒造り」に欠かせない麹菌。その麹菌がつくる環状のペプチドデフェリフェリクリシン(Dfcy)についてご紹介します。
Dfcyは麹菌が自然界から鉄イオンを取り込むために生産するペプチドですが、鉄と結合することで赤色の着色物質となるため日本酒の価値を下げる物質とされてきました。
月桂冠総合研究所では、逆転の発想によりこのDfcyに着目し2003年から機能性研究を続けています。さらに麹菌を用いたDfcyの大量生産技術を開発しました。
清酒醸造では邪魔者扱いのDfcyですが、実は抗酸化(アンチエイジング)作用や美白効果、がん細胞の死滅効果など人間にとって嬉しい効果が盛りだくさんの物質なのです。総合研究所での研究成果をぜひご確認ください。