飲酒の心得
和らぎ水で一息置いて、酔いの速度を緩やかに
飲み方・使い方を知る - 酒のたしなみ方
酒は百薬の長と言われる一方、飲み方を誤ると、周囲に迷惑をかけたり、生命に危険がおよぶことさえあります。酒との節度ある正しいつきあいをしていきたいものです。「食べながら、ゆっくり飲む」というのが上手な飲み方の基本です。
和らぎ水(やわらぎみず)
日本酒を飲みながら、グラスの横に水を用意して、ときどき飲んでください。これを「和らぎ水」(やわらぎみず)といいます。洋酒にもチェイサー(追い水)があるのと同じです。
合いの手として水をさしてひと呼吸置くことによって、度を越して深酔いするのを防ぐことができます。食事の合間に水を飲むことにより、口の中がリフレッシュされ、次の一杯や料理の味を鮮明にして、おいしく味わうことができます。
氷を入れたグラスに酒を注いでオンザロックで、また、少し水を加えた水割りで飲むのもおすすめです。お酒のアルコール度数が下がり、酔いの速度が緩やかになります。
ただし前提となるのは、適量を守るということです。適量には個人差があり、性別・年齢・体質によっても異なります。飲酒時の健康状態にも関係します。お酒に強いといわれている方でも、日本酒なら1~2合(180~360ミリリットル)が目安。適量を越えないようにして飲酒を楽しみましょう。
守って飲みたい、お酒のマナー10則
日本酒は、一人でも二人でも大勢でも、ともかく楽しく飲みたいものです。パーティー、宴会などで飲むときに心がけておきたいこと、また、健康のためにもこれだけは守りたいエチケットをまとめました。
一、笑いながら共に楽しく飲もう
お酒を飲む時は愉快に楽しくが一番。
怒ったり、やたらと議論を吹きかけたりするのは慎みたいものです。
二、自分のぺースでゆっくりと
適量をマイペースで飲むのが、本当のお酒の楽しみ方です。
かけつけ3杯とか、勧められるままについ、はやめましょう。
三、食べながら飲む習慣を
飲む前に少し食べ、飲むときは食べながら飲みます。
アルコールの吸収を遅らせ、大事な肝臓を守ってくれます。
四、自分の適量にとどめよう
もう適量だなと思ったら、どんなに勧められても、そこでストップ。
断る勇気のある人こそ、本当のお酒好きだと思います。
五、週に2日は休肝日を
できれば2日続けて肝臓を休ませましょう。
タフな肝臓は、休ませることで、急速にその機能を回復させます。
六、人に酒の無理強いをしない
人それぞれのペースを認め、守り合うのがお酒飲みのマナーです。
さしつさされつは、ほどほどに、後はマイペースで楽しみましょう。
七、くすりと一緒には飲まない
薬もアルコールも、同じ肝臓が分解します。
一緒に飲むことで、身体に悪い影響が出やすいので、避けましょう。
八、イッキ飲みはしない、させない
急性アルコール中毒の原因になりますから、絶対にいけません。
お酒好きなら、やめさせるのが常識です。
九、遅くても夜12時で切り上げよう
飲み会は、楽しいうちにお開きにするのがマナー。
その後のお酒は「百害あって一利なし」。終電前には帰りましょう。
十、肝臓などの定期健診を
年に数回は定期的に健康診断を受け、自分の健康度を知っておきましょう。
身体を悪くしてからでは遅すぎます。
- 【引用文献】
-
- 「守って飲みたい、お酒のマナー10則」 『もっとお酒が楽しくなる「日本酒読本」』 日本酒造組合中央会 (1996年)
酒に対する強さ、弱さには個人差があり、一様ではありません。飲めない人には絶対に酒をすすめないでください。特に「イッキ飲み」「かけつけ三杯」といった飲み方は厳禁です。急性アルコール中毒のもととなり、若者たちを中心に悲劇が相ついでいます。イッキ飲みをさせたり、強引に飲むように囃したりしないでください。
酔いの度合いは、きちんと食べているか、ゆっくり飲んでいるかなどによっても異なってきます。疲れている時や寝不足の時には、酔いも速くなりがちです。自分の適量を知り、無理のない飲み方をすることが第一です。ほろ酔い段階で切り上げ、体調の悪い時や服薬中は飲まないようにしてください。
- 【参考・引用文献】
-
- アルコール問題全国市民協会 『アルコールシンドローム』 第28号 (1992年)
- 「守って飲みたい、お酒のマナー10則」 『もっとお酒が楽しくなる「日本酒読本」』 日本酒造組合中央会 (1996年)
- 日本酒造組合中央会ホームページ