飲酒の適量とはどれぐらいの量ですか?
酒の弱い人への宴席での配慮は?
よくいただくご質問 - [Q&A]健康、成分、適量、カロリー
厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」によると、生活習慣病のリスクを高める1日当たりの純アルコール摂取量(※)は、男性で40グラム以上、女性で20グラム以上と定義されています。適量には個人差があり、年齢、性別、体質によって異なります。飲酒時の健康状態にも関係します。日本人の4割は、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する酵素の生産量が少なく、酒に弱いタイプに分類されるので注意が必要です。
また飲酒により肝臓を疲れさせないよう、負担を少なくすることも必要です。そのためには、脂の少ない肉、魚、豆腐など、肝臓に活力を与える高タンパク、高ビタミンの肴を摂りながら飲むのが良いでしょう。刺身や焼き魚、豆腐などの和食を肴に嗜む(たしなむ)という昔ながらの飲酒パターンは、理に適った知恵と言えそうです。アルコール度数の高い酒を一気に飲んだり、空腹時に何も食べずに飲んだり、また脂肪分の多い肴を摂り過ぎると肝臓に大きな負担をかけてしまいます。
※お酒に含まれる純アルコール量の算出式
容量(mL)×アルコール分(%)/100×0.8
酒の弱い人には、宴席でどのような配慮が必要ですか?
お茶、清涼飲料、ノンアルコール飲料を準備するなどで、皆が楽しめるよう配慮すると良いでしょう。限度を超えて飲み過ぎた方には、飲むのをやめるよう促すことも必要です。
酒に対する強さ弱さには個人差があり、適量はさまざまです。アルコールを全く受け付けない方、健康上の理由から飲酒を控えている方がおられるかもしれません。決して無理強いせず、宴席への参加者すべてが心地よい気分で楽しい時間を過ごせるようにしたいものです。
飲めない人には絶対にすすめない、イッキ飲みをしない・させない
「イッキ飲み」「かけつけ三杯」といった飲み方は厳禁です。「イッキ飲み」は急性アルコール中毒のもとになり、若者たちを中心に悲劇が相次いでいます。飲ませる側、すすめる側の責任は重大です。「オレの盃が受けられないのか」などと酒を無理強いすることは、「アルコール・ハラスメント」として人権侵害になるばかりか、場合によっては刑法犯罪の対象にもなります(相手が酒に慣れていないのを知っていて「イッキ飲み」のような無茶な飲み方をさせ、急性アルコール中毒になった場合は「過失傷害罪」、もし死亡すれば「過失致死罪」に問われます)。自重のうえ楽しい酒を心がけるようにしましよう。特に日本人の場合、アルコールに弱い体質の方が多くみられます、イッキ飲みは禁物であることを十分に心得ておくことが必要です。
- 【参考・引用文献】
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- アルコール問題全国市民協会 『アルコールシンドローム』 第28号 (1992年)