休肝日は一週間にどのぐらいの割合で設ければよいか?
週に2日連続した休肝日で、肝臓に負担をかけすぎないように
よくいただくご質問 - [Q&A]健康、成分、適量、カロリー
一週間1~2日は休肝日を設け、肝臓を休ませることが必要です。
体重60~70キロの人が飲んだアルコールを肝臓で分解できる量は、1時間あたり9~12ミリリットルとされています。日本酒1合(180ミリリットル)、またはビール大びん1本を飲むと、アルコールの分解には約3時間かかります。 この値から、アルコールを翌朝まで血中に残存させない飲酒量が判断できます。
肝臓に負担をかけないために心がければよいことはありますか?
肝臓にあまり負担をかけないように飲酒するには、良質のタンパク質を摂取し、ビタミンの豊富な食事をとりながら、日本酒であれば1日に1から2合(180から360ミリリットル)までの飲酒量にすることが好ましいと考えられます。さらに休肝日を設けて肝臓を休めることも必要です。特に適量(1から2合)を越える超える酒量を毎日飲まれる方には、週に2日連続した休肝日が必須とされています。酒浸りが一因となるアルコール依存症に陥らない歯止めともなります。
肝心要(かんじんかなめ)な肝臓の働き
肝臓の機能としては、血液凝固、血流の調節、胆汁の生成、ホルモンのコントロール、そして栄養素の代謝と薬物の解毒作用、タンパク質や糖質、脂質の合成や分解、ミネラルやビタミンの貯蔵など重要な働きを担っており、アルコールの分解時にも負担がかかっています。相当長期間絶食しても人体が耐えられるのは、肝臓の働きがあるからです。
逆にそれだけ重い負担が肝臓にかかっており、栄養摂取の異常に最も敏感に反応する臓器です。アルコールを多量摂取し続けると、脂肪肝や肝炎に罹ります。 脂肪肝になると食欲不振や疲労感、倦怠感があり、肝臓が異常に大きくなったりします。肝硬変は脂肪肝からの進展説とアルコール性肝炎の繰り返しによる進行説があります。日本での肝硬変の比率はアルコール性が20パーセント、ウイルス性が80パーセントであり、欧米とは逆の結果になっています。
末永く飲酒を楽しむために、飲酒の際には良質なタンパク質やビタミンの豊富な食事を摂って肝臓への栄養補給を心がけ、週に1~2日は酒を控えるようにしましょう。
- 【参考・引用文献】
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- 市田文弘 『肝臓を守る法』 ごま書房 (1987年)
- 「飲酒の心得」:参考文献一覧