イザという時、酔いつぶれた人の介助方法
一人にせず、「横向き」に寝かせ、適切な対応を
飲み方・使い方を知る - 酒と正しくつきあう
「飲酒は適量」が基本ですが、宴席や路上で酒に酔いつぶれた人を見かけることがあります。その場合の介助は次の5項目を施すことが必要です。特に冬期の路上では、凍死のリスクも伴います。グループの人たちだけでなく、周りの人たちも共に声をかけあい、適切な処置が行われるよう促すことが必要です。
介助は以下の点に留意してください
- 絶対に一人にしない。窒息・転落・水死・凍死・交通事故などの危険に陥る可能性があるため、しらふの人がそばにいてください。
- 吐物の逆流による窒息を防ぐため、横向きに寝かせる。
- 衣服をゆるめて楽にする。
- 毛布などをかけ体温の低下を防ぐ。
- 吐きそうになったら抱き起こさず、横向きの状態で吐かせる。急性アルコール中毒死のほとんどは、吐物による窒息死といわれています。枕を用いたり上向きに寝かせることは厳禁。気道をわざわざ塞ぐことになってしまいます。
こんなときはすぐに救急車を呼んでください
次のような症状がある時は、迷わず、すぐに救急車を呼ぶようにしましよう。
- 顔色が悪く、トロンとして、名前を呼んでも反応がない。
- いびきをかいて、つねっても反応がない。
- 体温が下がって全身が冷たい。
- 呼吸が異常に早く浅い。または異常にゆっくりで時々しか息をしない。
- 血を吐く。
飲酒の場ではお互いが酔っているため、適切な処置が後手になりがちです。「しばらくすればよくなるだろう」「ことを大げさにしたくない」といった安易な気持が手遅れとなってしまいます。病院へ運ぶ場合も、自家用車では適切な応急処置ができません。前記の症状があるときは、迷わず、すぐに救急車を呼びましよう。
- 【参考・引用文献】
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- アルコール問題全国市民協会 『アルコールシンドローム』 第28号 (1992年)
- アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)ホームページ