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酒粕を使った飲食品の定番―粕汁、甘酒―

[酒粕レシピ]
酒粕を使った飲食品の定番―粕汁、甘酒―

飲み方・使い方を知る - 料理と楽しむ

粕汁(かすじる、4人分)

酒粕100グラムを細かくちぎって、濃いめの出し汁400ミリリットルにひたし、酒を小さじ3杯加えて柔らかくしておきます。別に出し汁800ミリリットルを用意し、短冊切りにした大根、にんじん、こんにゃく、油揚げなどを入れて煮ます。塩ブリ・塩サケなどの塩魚や豚肉、鶏肉を加えると風味が増します。
煮立ったら、酒と出汁で柔らかくした酒粕を入れて煮込み、塩やしょうゆで味を整えます。刻んだネギやセリをふりかけて、お召し上がりください。

甘酒(あまざけ、4人分)

甘酒は、酒粕を原料にして、または米麹で米飯を糖化させて、手軽につくることができます。
酒粕からつくる場合は、酒粕200グラムを800ccの割合で水にとかして沸騰させます。甘酒を飲むときには食塩を加えて甘味を引き立たせたり、おろし生姜を加えることもあります。
米麹でつくる場合は、「米麹:ご飯:水」を「2:2:1」の割合で混合し、55~60度を5時間ほど保って糖化することで甘酒ができます。ブドウ糖の含有量は20パーセントほどになります。糖化後は殺菌のために沸騰させます。

酒粕でつくる甘酒のココがすごい―機能性飲料としての甘酒―

甘酒は古くから栄養価の高い飲み物として親しまれてきました。最近ではジャパニーズヨーグルトとも呼ばれ、健康との関係が注目されています。甘酒の原料となる酒粕や米麹からは、生理的作用をはじめとする機能性のある物質が見出されています。マウスを使った実験では、甘酒の摂取により血圧上昇の抑制、肥満の防止、健忘症の予防・改善との関係などが確認されています。これらの効用は、酒粕や米麹に由来する成分が相互に作用して新規成分を作り出したり、複合成分の組み合わせで相乗的に作用が増大していることなどによるものだと考えられています。それらの成分を誰でも手軽に美味しく摂取することができます。特に、酒粕と麹の両方が含まれる甘酒は優れた機能性を発揮することが期待できます。

街角に出ていた甘酒売り(明治3~4年頃)▲街角に出ていた甘酒売り(明治3~4年頃)。『幕末・明治・大正 回顧八十年史』第五号、東洋文化協会(1934年発行)より

飲んで暖まる甘酒は冬に似合う飲み物ですが、季語では夏。平安時代は冬の飲み物だったのが、江戸時代には庶民に親しまれる夏の飲み物となりました。『守貞謾稿』という江戸末期の文献には、「夏になると甘酒売りが出まわった」とあります。夏に飲まれた理由は、一説に、甘酒には麹の働きで生成したブドウ糖や必須アミノ酸などの成分がバランスよく含まれており、夏バテ防止のための栄養補給の役割を担っていたと言われています。

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